藤田貴大が全作品の脚本と演出を務める演劇団体「マームとジプシー」。そのレパートリーのひとつ『てんとてんを、むすぶせん。からなる、立体。そのなかに、つまっている、いくつもの。ことなった、世界。および、ひかりについて。』が、兵庫県豊岡市と香川県善通寺市での上演を経て、約4年ぶりに東京でも上演される(小金井宮地楽器ホール 大ホール、10月2日~4日)。
本作は、2013年の春にマームとジプシーが初めて海外ツアーを視野に入れて創作した作品だという。小道具や機材など、あわせて3つのスーツケースで各地を巡演し、初演から徐々にリニューアルしながら国内外で上演を重ねてきた。
本作で藤田は、田舎町に住む10代の閉塞的な心象風景と、01年に起こったアメリカ同時多発テロ、11年の東日本大震災、そして現在を往復しながら様々な距離を描く。演出にはリフレインを多用するなど、初期作品の特徴を持った貴重な作品だ。