ヴェネチア・ビエンナーレ初の6部門合同展が開催へ。創設125周年の歴史を振り返る

1895年に創設されたヴェネチア・ビエンナーレ国際展。その創設125周年を記念するため、美術、建築、音楽、舞踊、映画、演劇といった6つの部門が共同企画する展覧会「Le muse inquiete:When the Biennale Meets History」が、8月29日〜12月8日に開催される。

ヴェネチア・ビエンナーレのウェブサイトより

 1895年から始まり、美術、建築、音楽、舞踊、映画、演劇といった6つの独立部門を有する国際展、ヴェネチア・ビエンナーレ。その創設125周年を記念するため、6部門による初の合同展「Le muse inquiete:When the Biennale Meets History」が、8月29日〜12月8日にジャルディーニ・デッラ・ビエンナーレの中央館で開催される。

 新型コロナウイルスの影響で、2020年と21年に予定されていたヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展と国際美術展は、それぞれ21年と22年に延期。本展は、その延期を受け、ヴェネチアの現代美術歴史アーカイブの協力を得て実現するもの。ラ・ビエンナーレ歴史アーカイブや、ほかのイタリアや国際的なアーカイブの資料を通じ、ビエンナーレとヴェネチアの歴史が交わった20世紀の重要な出来事をたどる。

 ヴェネチア・ビエンナーレのロベルト・チクット会長は本展について、「8月末に建築展を開催することを願っていたが、オーディオ・ビジュアル資料、写真、インスタレーション、ドキュメントに基づいた展示会を行うことに決定した」と語る。

 本展は、ファシズム(1928-45)、冷戦・新世界秩序(1948-64)、68年の騒乱、カルロ・リパ・ディ・メアナ会長時期のビエンナーレ(1974-78)、ポストモダニズムと最初の国際建築展、そして90年代とグローバリゼーションの始まりといった時系列で構成。各部門のディレクターは様々な資料や作品を選りすぐり、ビエンナーレと世界の歴史との絡み合いについて検証する。

 新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行や気候変動、社会革命が相次ぎ発生している2020年。19世紀後半から現在までに起こった多くの変化や危機を目撃してきたヴェネチア・ビエンナーレによる初の6部門合同展に注目したい。

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