あいちトリエンナーレの会長候補に大林剛郎を選出。実行委員会に替わる組織委員会設立へ

愛知県は、次回の「あいちトリエンナーレ」の開催に向けて、従来の「あいちトリエンナーレ実行委員会」に替わる新たな運営体制として設立準備を進めている「あいちトリエンナーレ組織委員会(仮)」の会長候補に大林剛郎を選定した。

大林剛郎 提供=愛知県

 愛知県は、従来の「あいちトリエンナーレ実行委員会」に替わる新たな運営体制として設立準備を進めている「あいちトリエンナーレ組織委員会(仮)」の会長候補に大林剛郎を選定したことを発表した。

 大林剛郎は1954年東京都生まれ。77年に慶應義塾大学経済学部を卒業し、株式会社大林組に入社。83年に同社取締役となり、2009年には代表取締役会長に就任した。大林はアートコレクターとしても知られており、公益財団法人大林財団では理事長として2017年度にアーティストへの助成制度「都市のヴィジョン-Obayashi Foundation Research Program」をスタートさせている

 また、森美術館理事や原美術館評議員、 一般財団法人川村文化芸術振興財団評議員、テート美術館インターナショナル・カウンシル・メンバー、ニューヨーク近代美術館インターナショナル・カウンシル・メンバーなどを務め、美術館界との関係も深い。

 あいちトリエンナーレをめぐっては、これまで県知事が実行委員会会長を兼任してきた。しかし、2019年のあいトリにおいて、県が設置した検討委員会はこの兼任体制が「表現の不自由展・その後」展示中止などにおいて混乱をもたらした一因とし、実行委員会会長を民間から登用することを提言。今回の大林の起用は、この方針に基づいたもので、知事から直接打診したという。

 今後は夏頃を目途に、組織委員会と同時に知事を会長とするトリエンナーレ推進協議会を設立。大村知事は大林と協議しながら組織体制を詰めていくとしている。

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