今年3月5日〜8日にニューヨークで開催されるアートフェア「アーモリー・ショー」で、女性アーティストのみを対象としたアートプライズ「AWARE Prize」が新たに設立される。
同プライズは、2017年にフランスの非営利団体「AWARE(Archive of Women Artists Research & Exhibitions、女性アーティスト研究展示資料館)」によって設立。今年は、初めてアートフェアと連動する。選考対象は、同フェアの「ギャラリーズ」セクターで個展を行う女性アーティストで、受賞アーティストまたはそのエステートには1万ドル(約112万円)の賞金が授与される。
AWAREは声明文で、同プライズを設立する理由についてこう説明している。「女性は、アートワールドの賞で非常に過小評価されている。美術学校で女性は多数派だが、権威ある現代美術賞では少数派。フランスのマルセル・デュシャン賞、イギリスのターナー賞、アメリカのヒューゴ・ボス賞、日本の高松宮殿下記念世界文化賞では、受賞アーティストの20〜30パーセントだけだ」。
審査員を務めるのは、カミーユ・モリノー(AWARE共同設立者)、ブルーム・カルデナス(ニキ慈善芸術財団理事兼トロッキ庭園館長)、サイモン・キャステッツ(スイス・インスティテュート・ディレクター)、モーラ・ライリー(ブルックリン美術館エリザベス・A・サックラー・センター・フォー・フェミニスト・アート・ファンディング・キュレーター)の4名。
アートフェアでこのプライズを設立する動機について、モリノーは「artnet」に対して「このプライズは、女性アーティストだけを展示するという挑戦をしているギャラリーに敬意を表するもの」だとしている。「今日のアートマーケットでは、ほとんどの女性アーティストは男性アーティストよりも価値が低く、女性アーティストと個展を組むのは勇気がいることだ」。
なお今年のアーモリー・ショーで、女性アーティストの個展を開催するギャラリーの一覧は次の通り。
アクセル・フェルフォールド(名坂有子、日本)、ギャラリー・ナタリー・オバディア(リナ・バナルジー、インド)、OSLコンテンポラリー(オース・テックスマン・リー、ノルウェー)、ガース・グリーナン・ギャラリー(アレクシス・スミス、アメリカ)、ルイス・デ・ジーサス・ロサンゼルス(ジューン・エドモンズ、アメリカ)。