「不自由展」がついに再開。1300人が抽選に応募

「あいちトリエンナーレ2019」において10月8日、「表現の不自由展・その後」がついに再開された。開幕当初の状態を維持しての再開を目指した会場の様子とは?

 

「表現の不自由展・その後」に入場する鑑賞者

 8月3日以来、65日にわたって閉じられていた「表現の不自由展・その後」が、ついに再開された。

 再開にあたっては、事前抽選と入替制、そして荷物チェックや金属探知機などを導入。これは、大村秀章愛知県知事が展示再開にあたり不自由展実行委員会と合意した下記4つの条件を反映したものだ。

1. 犯罪や混乱を誘発しないように双方協力する 2. 安全維持のため事前予約の整理券方式とする 3. 開会時のキュレーション(展示内容)と一貫性を保持し、必要に応じて(来場者に対して)エデュケーションプログラムなど別途実施する 4. 愛知県庁は来場者に中間報告の内容などをあらかじめ伝える
抽選に並ぶ人々

 不自由展の鑑賞希望者は、愛知芸術文化センター10階のエレベーターホールで抽選受付をし、リストバンド型抽選券を受け取る必要がある。当選した場合のみ、40分間または60分間の入替制での鑑賞が可能。各回の定員は30名(変更の可能性あり)で、回数については公式サイトで随時発表されるという。

抽選結果を確認する人々 撮影=記者クラブ非加盟社代表
リストバンド型の抽選券 撮影=記者クラブ非加盟社代表

 当選者は手荷物を預けたうえで、入場前には「表現の自由」や「検閲」、「平和の少女像」の解説パネルを読むことが求められる。その後、展示室前では金属探知機による検査が実施。会場への撮影機器の持ち込みはできない。

当選者受付の様子 撮影=記者クラブ非加盟社代表
解説パネルを読む当選者 撮影=記者クラブ非加盟社代表

 10月8日は30名ずつ2回の鑑賞枠が設けられ、初回は709名が、2回目は649名が応募。ともに20倍以上の倍率となったが、会場に大きな混乱は見られなかった。8日は、展示室内で鑑賞者ディスカッションとマネキンフラッシュモブの映像作品上映が行われたが、こうした内容は日によって変わる可能性があるという。

 なお、不自由展再開にあたり、これまで展示を中止・変更していた作家たちも展示を再開。開幕当初のかたちで見ることができる。

金属探知機による検査の様子 撮影=記者クラブ非加盟社代表
「表現の不自由展・その後」展示室前の様子

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