「真実の追求」をテーマにアーティスト活動を行う傍ら、イギリスの出版社「Browns Editions」の代表も務めるジョナサン・エレリーが来日。10月8日に、エレリーのトークイベントが東京・恵比寿のPOSTで開催される。ゲストに、ロンドンのデザインコンサルティングファーム「North」を設立したシーン・パーキンスを迎え、ロンドンのアート/デザインシーンをテーマに話を展開していくという。
エレリーは、現実に隠れた緊張やストレスをさらけ出し、社会構造に挑戦するようなメッセージを、彫刻・絵画・ライブパフォーマンスなど多彩な手法を用いて表現している。2005年に設立されたイギリスの出版社「BrownsEdition」ではキュレーターを務め、自身のアーティストブックも多数出版。05年のニューヨークでの個展 「136 Points of Reference」を皮切りに、これまで数多くの個展を開催してきた。
いっぽうパーキンスは、自身が設立したデザインコンサルティングファーム「North」から、テート・モダンをはじめとする多数の企業・文化施設のVI(ヴィジュアル・アイデンティティ)を生み出している。クライアントワークに徹した戦略的なVIを手がけるパーキンスと、アーティストブックを精力的に制作し続けるエレリーという、対照的な2人のトークセッションに注目が集まる。
また同週の11日には、DOVER STREET MARKET GINZA 7Fにある書籍スペース「BIBLIOTHECA」で、エレリーの最新刊『THE GRAPHIC RISE OF BRITISH MODERNISM』のブックサイニングイベントも開催される。本書には、現代のイギリスに関して話し合うきっかけになるであろうモチーフとして、家、庭にある小屋、ダイニングテーブル、政治家が登場。本来の役割を失いつつあるモチーフを採用することで、イギリスの日常生活に潜むフェティッシュな性質を明らかにする試みだ。
世界を解釈し、自分なりの物語を構築するエレリーは、事前に決定されたプログラムとしての人生に興味があるという。本書は、そういった人生の外側で生きていくための議論を投げかける一冊となっている。