2019.3.10

森山大道の個人写真誌『記録』40号が刊行。BOOKMARCで出版記念の写真展も

日本を代表する写真家・森山大道のライフワークと言える個人写真誌『記録』。その第40号の刊行を記念した写真展が、東京・神宮前のBOOKMARCで開催される。会期は3月16日〜24日。

森山大道『記録』40号より
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 写真家・森山大道のライフワークと言える個人写真誌『記録』シリーズ。その第40号の刊行を記念した写真展が、東京・神宮前のBOOKMARCで開催される。

 森山は1938年生まれ。59年から写真を撮りはじめ、ハイコントラストや粗い粒子の作風が「アレ・ブレ・ボケ」と形容され、写真界に衝撃を与えてきた。68~70年には中平卓馬、多木浩二らが立ち上げた写真同人誌『プロヴォーク』に参加。現在も国内外で精力的に作品を発表している。

森山大道『記録』40号より

 『記録』シリーズは、森山が「今日一日に写したカットだけで一冊『記録』をつくってみたい」というひらめきから、72年に制作を始めた私家版の写真誌。日常で撮影した写真をすぐに現像・プリントして近くの人々に手渡しで見せるための、最小限のメディアを模索するなかで生まれた形式だ。

森山大道『記録』40号 書影

 同シリーズは翌73年に第5号をもって一時休刊となっていたが、2006年に復活し、現在も継続的に刊行。今回発売される第40号には、森山がパリを訪れ、かつての記憶ともに散策した際のスナップなどが掲載される。

 出版記念展では森山による写真のほか、森山の次女でカラーマーカーアーティスト・ASA(森山朝子)による作品もあわせて展示。会期前日には、両氏を招いてのサイン会も行われる。

森山大道『記録』40号より