ゴッホ、ピカソ、セザンヌらの名作が出品されるクリスティーズ・ニューヨークの印象派と近代美術イヴニング・セールが、5月13日に開催された。同セールでは、64点の出品作品のうち54点が落札され、3億9904万1000ドル(約437億円)の売上を記録した。
そんななか、セールが開催する前にすでに話題を呼んだ、バルテュスがテレーズをモデルにした10点の絵画のひとつである《ベンチシートの上のテレーズ》は、1200万〜1800万ドルの予想価格を上回り、1900万2500ドル(約21億円)の価格で落札。バルテュスのオークションにおける過去最高額を更新したという。
同じく過去最高額を更新したのは、昨年東京の国立新美術館で大回顧展を開催した、「日本かぶれのナビ」「色彩の魔術師」とも呼ばれるピエール・ボナールだ。ボナールが1912年に制作した油彩画《La Terrasse ou Une terrasse à Grasse》は、500万〜800万ドルの予想価格をはるかに上回り、1957万ドル(約21億円)で落札された。
また、ポール・セザンヌの油彩画《Bouilloire et fruits》が同セールの最高額となる5929万5000ドル(約65億円)で落札。セザンヌに次ぎ、ゴッホの風景画《Arbres dans le jardin de l'asile》が4000万ドル(約44億円)、モディリアーニの彫刻《Tête》と絵画《Lunia Czechowska (à la robe noire)》が3432万5000ドル(約38億円)と2524万5000ドル(約28億円)、ピカソの肖像画《La Lettre (La Réponse)》が2524万5000ドル(約28億円)という高額で落札された。
そのほか、マーク・ロスコの《No.16/No.12 (Mauve Intersection)》(538万2500ドル)やピカソの《Dessin》(526万9000ドル)、ジョルジョ・モランディの《Natura morta》(169万5000ドル)が予想落札価格の2倍以上となった。