オークション大手のクリスティーズが、2018年度の売上高が70億ドル(約7613億円)となったことを発表した。この数字はクリティーズ創業以来の最高額となっている。
内訳は、オークションによる売上高は63億ドル(約6802億円)。ロットベースでの落札率は82パーセントに達している。このほかプライベートセールが6億5330万ドル(約708億円)、年間を通じて88回開催されたオンラインオンリー・オークションは8660万ドル(約94億円)となった。
新規顧客はバイヤー全体の32パーセントに達し、新規バイヤーの41パーセント(前年度37パーセント)がオンラインオークションを通じて落札しており、クリティーズは「オンラインオークションが新規顧客開拓に大きく貢献している」としている。
なお地域別の落札金額の割合はアメリカが39パーセント、ヨーロッパ・中東が36パーセント、アジアが25パーセントとなった。
もっとも割合が高いクリスティーズ・アメリカの落札総額は約3897億円円に達しており、プライベート・コレクションとしての過去最高額を達成した「ペギー&デイヴィッド・ロックフェラー・コレクション」セールをはじめとする個人コレクションが数字を牽引したかたちだ。
加えて、ブロックチェーン・レジストリーを利用した初めての美術オークション「バーニー・A・エブスワース・コレクション」では、エドワード・ホッパー(落札価格約101億円)、ウィレム・デ・クーニング(落札価格約76億円)、ジャクソン・ポロック(落札価格約61億円)などを記録している。
また、11月に出品されたディヴィッド・ホックニー《画家の肖像(プールと二人の人物)》が、存命作家の作品としては既存記録の倍以上となる9031万2500ドル(約99億円)で落札されたことは記憶に新しい。
クリスティーズCEOのギヨーム・セルッティは2018年の結果についてこうコメントしている。 「年末頃から政治的な要因により経済環境悪化の懸念が強まるなかでも、賢明かつ専門的なキュレーション、セレクションと値付けを行い、2019年も好調を継続できると確信しています」。