全身でクリムトを体感する。パリ初のデジタル・アート・センター「アトリエ・デ・リュミエール」とは?

2018年4月、パリ11区にオープンした、デジタル・アート・センター「アトリエ・デ・リュミエール」。現在は「グスタフ・クリムト」展が開催されており、世界中から注目を集めている。同展の会期は18年11月11日まで。

アトリエ・デ・リュミエール「グスタフ・クリムト」展 会場風景

 パリ11区、バスティーユ広場から北東に進んだ方向に2018年4月に新名所が誕生した。パリでも初となるデジタル・アート・センター「アトリエ・デ・リュミエール」だ。

アトリエ・デ・リュミエール入り口

 ここで現在開催されているのは、今年没後100年を迎えるウィーン・世紀末美術を代表する画家であるクリムトの絵画をモチーフにした企画「グスタフ・クリムト」展。しかし、クリムトが実際に描いた油彩画などは展示されていない。ここで見られるのは、最先端のデジタル技術によって大画面に投影されるクリムトが描いた世界だ。

アトリエ・デ・リュミエール「グスタフ・クリムト」展 会場風景

 もともとは19世紀に建設された鋳造所であったという同所は、総面積2000平米、天井高は10メートルという広さを誇り、床や壁の面積を足すと3300平米もの広さに投影が可能だという。大ホールと小ホールに分かれており、前者では大型展を、後者では若手の作品の上映を行うことができる。

アトリエ・デ・リュミエール「グスタフ・クリムト」展会場風景。
エゴン・シーレの作品も登場する。

 本展では同時上映として、クリムトやシーレと同じくウィーンの画家・フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサーの作品をモチーフにしたプログラムも上映。こちらもここでしか体験できない光景を見ることができる。

キャプションアトリエ・デ・リュミエール「フンデルトヴァッサー」展会場風景

 今年没後100年ということで、世界中で高まっているクリムト、そしてウィーン世紀末絵画への注目。19年はついに日本でも東京都美術館と豊田市美術館で「グスタフ・クリムト展」、国立新美術館と国立国際美術館で「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」が開催される。日本での展覧会を前に、パリに行く際にはぜひ全身でクリムトの世界を堪能したい。

編集部

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