NEWS / HEADLINE - 2019.2.7

了解なく切断・撤去された京都市美術館の野外彫刻《空にかける階段’88-Ⅱ》、再展示で合意

現在、2020年3月のリニューアル・オープンを目指して休館している京都市美術館。この敷地内にかつて設置されながら、工事に伴い撤去された富樫実による野外彫刻《空にかける階段’88-Ⅱ》が再展示されることとなった。2月5日の京都市議会文化環境委員会で明らかにされた。

《空にかける階段’88-Ⅱ》撤去後の京都市美術館。鉄骨内部に作品が設置されていた(2017年8月19日撮影)

《空にかける階段’88-Ⅱ》撤去後の京都市美術館。鉄骨内部に作品が設置されていた(2017年8月19日撮影)

 規模改修のため2017年4月から長期休館している京都市美術館。この敷地内に設置してあった富樫実による野外彫刻《空(くう)にかける階段’88-Ⅱ》(1990)が、20年3月のリニューアル開館に伴い再展示されることが京都市議会文化環境委員会で明らかになった。

 《空にかける階段’88-Ⅱ》は、「空にかける階段」シリーズのひとつで、高さ約11メートルと約10メートルの御影石の柱2本からなる作品。17年5月の段階で、京都市側が同作の耐震性などを理由に10個に分割して保存する案を提示。この案に作者は反発し、7月には市と作者のあいだで「可能な限り現状を保ち、一旦横置きにして、再展示方法については継続して協議する」という旨の確認書が交わされた。しかし事態が一転したのは8月のこと。市は「作品を地上部から切り離す」という工法に作者が了解しない状態で、根元から切断するという工事を敢行。「京都市美術館問題を考える会」が京都市長宛に抗議文を送付する事態に発展した。

《空にかける階段’88-Ⅱ》撤去後の京都市美術館(2017年8月19日撮影)

 今回、この撤去騒動を経て、京都市側は同館での再展示を決定。当初の外観を維持しつつ、作品内部に縦方向の鋼棒を複数本通し、建築基準法に則った強度を確保することで市と作者が同意したという。

 再展示に当たっては作品の根元部分を地中に埋め込み、新たにつくられる基礎部分と結合させるため、高さは従来の11メートルより2メートルほど低くなる。また展示場所については、万が一の場合に道路側に倒壊する可能性を鑑み、当初の展示場所から南東方向に移すという。

 なお再展示工事は4月に施工が開始され、8月までに完了する予定となっている。