過去最多、9点(期間限定を含む)のフェルメール作品が集結する「フェルメール展」が、1月7日に来場者数50万人を突破した。
会場は、「第1章 オランダ人との出会い:肖像画」に始まり、「第6章 光と影:フェルメール」に至る全6章構成。フェルメール作品は第6章にまとめて展示されており、ひとつの展示室でフェルメール作品に囲まれる体験ができる。
昨年12月20日には《赤い帽子の娘》が展示終了となったが、これに代わって会期終盤となる1月9日から2月3日にかけ、日本初公開となる《取り持ち女》(1656)が展示されている。
娼家を舞台にした本作は、それまで宗教画や物語画に取り組んでいたフェルメールが初めて描いた風俗画として知られている。当時はキリストが説いた例え話「放蕩息子」を発端に、娼家を舞台にした絵が数多く制作され、フェルメールもそうした時流のなかでこの絵を制作した。そのほかのフェルメールの風俗画と比較してもサイズが大きい本作は、以後の作品の方向性を決定づけたものとされている。
なおフェルメール展は2月16日より大阪市立美術館に巡回。大阪展では、同展限定でアムステルダム国立美術館所蔵の《恋文》(1669-70頃)を含む6点が公開。こちらもあわせてチェックしたい。