ジャイアントルームとは何か? 八戸市新美術館が2021年に開館へ

1986年に開館した八戸市美術館が2017年4月をもって閉館。全面的に建て替え、2021年夏頃の開館を目指す八戸市新美術館(仮)構想が進められている。

八戸市新美術館外観イメージ 提供=八戸市

 青森県八戸市街地の中心部に、1986年に開館した八戸市美術館が2017年4月に閉館。これを全面的に建て替え、2021年夏頃の開館を目指す八戸市新美術館(仮)構想が進められている。

 同館の設計は、西澤徹夫建築事務所・タカバンスタジオ設計共同体。延床面積は約4500平米で、建築面積は約3000平米。敷地中央にはパブリック・スペースである「ジャイアントルーム」が設置されており、これはラーニングセンター機能の基幹となる。

「ジャイアントルーム」内観イメージ 提供=八戸市

 同スペースでは、展覧会の企画準備などを可視化するほか、エデュケーションプログラムの授業やミニレクチャー、イベントなどが行われる交流の場として使われることを想定。美術館の中心部にこのような巨大スペースが設置されることは珍しく、同館建設アドバイザー兼運営検討委員会委員の佐藤慎也は、論考「『第四世代の美術館』の可能性」において、「『これからの美術館』のひとつのありかたを示すものになることが期待される」としている。

八戸市新美術館パース 提供=八戸市

 このほか、展示スペースの連続性についても注目したい。閉館した旧八戸市美術館では、3つの展示室があるのみだったが、新美術館では大幅な変更が加えられている。連続した展示空間であるギャラリー1および2に加え、映像作品の展示などに特化した「ブラックキューブ」、そして巨大なホワイトキューブを内包。すべてのスペースが1階に集約されているため、全館あるいはいくつかの個室を連携させた展示や企画もできるという。上述のジャイアントルームとの連結も可能で、様々なパターンでの活用方法が考えられるだろう。

ホワイトキューブ内観イメージ 提供=八戸市

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