フランス映画界の名匠として、またヌーヴェル・ヴァーグを代表する映画監督として知られるアニエス・ヴァルダ。そして、参加型アートプロジェクト「Inside Out」をはじめとする作品で世界的に活動するアーティスト・JR(ジェイアール)。このふたりがタッグを組んだロードムービースタイルのドキュメンタリー『顔たち、ところどころ』が9月に公開される。
アニエス・ヴァルダは女性監督の先駆者として、カンヌ国際映画祭やアカデミー賞の名誉賞も受賞。現在、87歳(作中、現在は90歳)ながらその創作意欲は衰えることを知らない。いっぽう、自らを「photograffeur(フォトグラファー)=フォトグラファー+グラフィティ・アーティスト」と称するJRは、33歳(作中、現在は35歳)の新進気鋭だ。
本作では、この54歳差のふたりが、JR特製のスタジオ付きトラックでフランスの田舎を巡りながら、人々とふれあい、作品をともにつくり、残していく旅の様子が、そのまま映画となっている。
第70回カンヌ国際映画祭(2017)の最優秀ドキュメンタリー賞をはじめ、第42回トロント国際映画祭観客賞など、各国の映画祭で受賞を重ねる本作。
世代が違うふたつの才能が、ときにぶつかりながらも、ひとつの作品をつくりあげていくプロセスを楽しみたい。