壁一面の陶片に託す自然への畏怖。
星野暁展「始まりのかたちー螺旋 '17」

1970年代に前衛陶芸集団「走泥社」の一員として活動し、オブジェやインスタレーションなど幅広い作品を手がける陶芸作家・星野暁の個展がLIXILギャラリーにて開催されている。会期は9月15日〜10月24日。

土、水、火 / 地、雲、風(部分) 2010 黒陶 250x2200x350cm

 星野暁(ほしの・さとる)は、1970年代初頭、八木一夫の黒陶の作品との出会いを機に作陶を志し、八木が中心となって結成された前衛陶芸集団「走泥社」の同人として作品の発表を開始。

 86年、京都のアトリエを土砂崩れによって失うという経験をきっかけに、土を単なる素材としてだけでなく、自然そのものであり、人と共存・共生するものとして認識するようになる。そして、89年頃より、指や手のひらなどの痕跡を残した黒陶の陶片を壁一面に設置し、自然や宇宙生成の原初を思わせる螺旋や渦巻きを構成するインスタレーション作品「始まりのかたちー螺旋」の制作を開始。代表的なシリーズとして、現在も制作を続けている。

 本展では、会場の空間に合わせて新たに制作された「始まりのかたちー螺旋」の新作を展示。近年関西や海外での発表が中心となっている星野の、18年ぶりの東京での個展となる。

土、水、火 / 地、雲、風(部分) 2010 黒陶 250x2200x350cm

編集部

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