カスヤの森現代美術館で「2人展 会田誠・岡田裕子」が開催。初の二人展

神奈川県横須賀市のカスヤの森現代美術館で、現代美術家・会田誠と岡田裕子による「2人展 会田誠・岡田裕子」が開催される。会期は5月30日〜8月16日。

左:会田誠《混浴図》(部分・制作中)キャンバスにアクリル絵具 ©︎ AIDA Makoto Courtesy of Mizuma Art Gallery 右:岡田裕子《井戸端で、その女たちは》(2025)展示風景:「神戸六甲ミーツ・アート2025 beyond」 撮影:高嶋清俊 ©︎ OKADA Hiroko Courtesy of Mizuma Art Gallery

 神奈川県横須賀市のカスヤの森現代美術館で、現代美術家の会田誠と岡田裕子による「2人展 会田誠・岡田裕子」が開催されている。会期は5月30日〜8月16日。

会田誠《混浴図》(制作中)

 会田誠は1965年新潟県生まれ。社会や歴史、現代と近代以前、西洋と東洋の境界を自由に往来し、常識にとらわれない対比や痛烈な批評性を提示する作風で知られている。絵画、写真、映像、立体、パフォーマンスなど表現領域は多岐にわたり、国内外の美術館で数々の個展やグループ展を開催してきた。

「神戸六甲ミーツ・アート2025 beyond」インスタレーション風景より、岡田裕子《井戸端で、その女たちは》(2025)の岸本清子、林三從、山崎つる子の席 

 岡田裕子は1970年東京都生まれ。恋愛、結婚、出産、子育てなど、自らの実体験を通したリアリティのある視点で、現代社会へのメッセージ性の高い作品を制作。映像や写真、インスタレーション、またオルタナティブ人形劇団「劇団★死期」の主宰や他分野とのコラボレーションなど、幅広い活動を展開している。

初の二人展

 会田誠と岡田裕子は、息子の会田寅次郎も交えた三人展や、ユニット「会田家」としての展示経験はあるものの、純粋な二人展の試みは今回が初となる。

 本展において、会田は開館日の開館時間ほぼすべてを使って、2年以上前から構想と試作を始めているという《混浴図》の公開制作を敢行。会期終了までに完成するわけではなく、その先を見据えた壮大な試みとなる。また、併せて新しいアプローチとなる抽象絵画シリーズも公開する。これは同館にとっても初の試みであり、制作過程そのものを体感できる貴重な機会となりそうだ。

 対する岡田は、物故女性アーティストをテーマとしたマルチメディアインスタレーション《井戸端で、その女たちは》を展示。会場内に設置された井戸のそばで、前衛の時代を生きた女性たちが語り合う声にシンクロしてテーブルランプが瞬く構成となっている。展示は室内会場と屋外の古井戸そばの2ヶ所で展開。女性の日常会話を揶揄する「井戸端会議」という言葉のなかに潜む、これまでの女性の立場の不確かさに想いを馳せた多層的な表現となっている。

 独異なるアプローチを持つ両者の作品が、同館の建築空間とどのように共鳴し合うのか注目が集まる。