現代美術家・岡田裕子が、1日だけの実験的新作を中心とした展覧会「Celebrate for ME – The first step」を、東京・神保町の「PARAと美学校の共有スペース」から「美学校スタジオ」に移動するかたちで開催する。日時は12月26日15時~21時。
岡田はヴィデオアート、写真、絵画、インスタレーションなど多岐に渡る表現を用いて、恋愛、結婚、出産、子育てなど、自らの実体験からヒントを得ながら、現代社会と未来をテーマにした現代美術作品を生み出してきた。
おもな作品に再生医療の未来をストーリー化した《エンゲージド・ボディ》(2019)、男性の妊娠をテーマとした《俺の産んだ子》(2002/2019)、ファッション業界のクリエイターと共同で行われたW HIROKO PROJECTでソーシャルディスタンスのファッションを表現した《Di_STANCE》(2021)、パンデミック下の架空のアーティストの生活の声を観客が聞きながら会場を探検する体験型作品《誰もこない展覧会》(2020)などがある。
岡田は個人活動のほかにもオルタナティブ人形劇団「劇団☆死期」、家族のアートユニット「会田家」など、多数のアートプロジェクトも手がけている。おもな展覧会に、「今ここにいますー岡田裕子×AIR475」(米子市美術館、2022)アルスエレクトロニカセンター1年間常設展示(オーストリア・リンツ、2019)、「第11 回恵比寿映像祭」(東京都写真美術館、2019)、「LESSON0」(韓国国立現代美術館、ソウル、2017)、「Gloval Feminisms」(ブルックリン美術館、ニューヨーク、2007)など。
今回の展覧会「Celebrate for ME – The first step」は、来場者それぞれが主役となる、1日だけの祝祭というコンセプト。テクノロジーとインスタレーション、パフォーマーたち、そして観客が渾然一体となり、第1会場から第2会場へと神保町の街並みを移動しながら。近未来的なセレモニーをイメージした劇場的空間をつくりだすという。
展示予定の作品《Celebrate for ME : okuru》は拡張現実+αの作品とされており、観客が改造したVR機を装着し「自分が自分のおくりびとになる」という拡張現実の葬送世界に没入、その様子をほかの観客が見守るものになる。そのほか、死後の自分の骨を愛する、参加型インスタレーション《Celebrate for ME : ikeru》や、歌舞伎町の文化Bar「東京砂漠」のバーテン、ダライとその仲間が祝祭を行う《Celebrate for ME : iwau》などの展示が予定されている。
なお、《Celebrate for ME : okuru》に関しては、12月25日までチケットサイトで体験の事前予約を受け付けている。