テキスタイルを軸とする香港の文化機関、CHAT紡織文化芸術館(Centre for Heritage, Arts and Textile、以下CHAT)で、3月21日〜6月28日にグループ展「Threading Inwards」が開催される。
今年のアート・バーゼル香港の会期(3月27日〜29日)にあわせて開幕する本展は、同館が掲げるアジアにおけるテキスタイル芸術の新たな発展段階を示す試みであり、同時に香港が歩んできた繊維産業の歴史と現代美術、デザイン、ヘリテージを交差させる対話の場となる。
共同キュレーターは、CHATの展覧会・コレクション部門キュレーターであるワン・ウェイウェイに加え、ソウルのユージン・ハンナ・パーク、東京の黒沢聖覇、北京のワン・ヒュアンというアジア太平洋地域の新進キュレーターたちが務める。アジア各地から14名/組のアーティストが参加し、織る、染める、縫うといった行為が精神的営みや記憶、感情、信仰といかに結びついてきたかを探る。
ハイライトのひとつは、マレーシア出身のマルコス・クエによる高さ約10メートルの新作インスタレーション《The Spirit of Labour: ZhiNü》だ。香港の旧紡績工場「The Mills」のホールに展示される本作は、繊維産業と労働者をめぐるポスターやバナーを織り込んだ3連のタペストリーからなり、とりわけ女性労働者の歴史的貢献に光を当てる。

また、香港のIV Chanによる新作《Chloronest》は、劇場のグリーンルームやCGIのグリーンスクリーンを想起させる柔らかな没入空間を創出。観客は触れることのできる彫刻に囲まれながら、夢や感情を投影する体験を得ることになる。2025年のレジデンス・アーティストであるムーニ・ペリーは、香港の民間信仰と女性の霊的実践に着想した新作映像を発表。さらに、バリ出身のチトラ・サスミタは、トゥマンガル織物共同体との協働による新作で、葬送儀礼における布の役割を現代的に再解釈する。
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