今週末に見たい展覧会ベスト21。「la Galerie du 19M」からアンディ・ウォーホル、KYOTO EXPERIMENTまで【2/7ページ】

「非常の常」(国立国際美術館

シプリアン・ガイヤール Artefacts 2011 フィルム(HDから35ミリフィルムに変換)、サウンド、ループ 国立国際美術館蔵
©Cyprien Gaillard Courtesy the artist and Sprüth Magers

 国立国際美術館で、特別展「非常の常」が10月5日まで行われている。

 攻撃やクーデター、地震、洪水、山火事などの自然災害によって、多くの人が住む場所を失い、強制的な移住を余儀なくされている。未知のウイルスが人々の生命を脅かした経験は記憶に新しく、それによる政治的混乱、人間関係の分断、日常の喪失は、いまなお日々の暮らしに影響を与えている。

 生成AIなど人工知能を含むテクノロジーが飛躍的に発達し、人々が目にするイメージや情報の真正性の判断は、時にきわめて困難になった。さらに、情報の流通が複雑なアルゴリズムに支配され、サイバー空間での攻撃が本格化している。そうした「非常の常」の時代のなか、本展では、8名の作家の表現を通じて、時代を見つめ、想像力を膨らませ、明日を生きる希望を探ることが目指されている。

会期:2025年6月28日~10月5日
会場:国立国際美術館
住所:大阪府大阪市北区中之島4-2-55
電話番号:06-6447-4680
開館時間:10:00~17:00(金土~20:00)※入場は閉館30分前まで
料金:一般 1500円 / 大学生 900円 / 高校生以下・18歳未満、心身に障がいのある方とその付添者1名 無料(要証明)

「石田尚志 絵と窓の間」(高松市美術館

展示風景より、《絵と窓の間》(2018)

 香川・高松にある高松市美術館で、特別展「石田尚志 絵と窓の間」が10月5日に閉幕する。レポート記事はこちら

 本展は、石田尚志の2015年以来の大規模な個展として、神奈川県立近代美術館、アーツ前橋に続く巡回展となる。実写のコマ撮りアニメの手法などを用いて映像表現を追求してきた石田の、2016年以降の近作・最新作を中心にした展示構成で、レトロスペクティブ上映やパフォーマンスなどを交えた、石田の仕事を概観できるような機会となる。

会期:2025年8月8日〜10月5日
会場:高松市美術館 2階展示室
住所:香川県高松市紺屋町10-4
電話番号:087-823-1711 
開館時間:9:30〜17:00(金土〜19:00)
休館日:月(ただし8月11日、9月15日は開館、8月12日、9月16日は休館)
料金:一般1200円 / 大学生 600円 / 高校生以下無料

今週開幕

総合開館30周年記念 日本の新進作家 vol.22「遠い窓へ」(東京都写真美術館

展示風景より

 東京・恵比寿の東京都写真美術館で、総合開館30周年記念 日本の新進作家 vol.22「遠い窓へ」が開幕した。レポート記事はこちら

 同館では、写真・映像表現に挑戦する新進作家を紹介するシリーズ展「日本の新進作家」展を2002年より継続的に開催している。第22回となる本展では、寺田健人、スクリプカリウ落合安奈、甫木元空、岡ともみ、呉夏枝の5人の作家を紹介するものだ。

 本展は、人と時代、場所や風習といった要素との結びつきから生まれる小さな物語に焦点をあてた写真・映像作品を通じて、現代社会における他者や多様性への想像力とまなざしを提示するもの。展覧会タイトル「遠い窓へ」は、ふと目にした窓から誰かの暮らしを想像する体験になぞらえ、作品そのものが「窓」となって見る者を時間や場所、記憶へと導く装置として機能することを暗示している。

会期:2025年9月30日~2026年1月7日
会場:東京都写真美術館
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
電話番号:03-3280-0099 
開館時間:10:00~18:00(1月2日を除く木金〜20:00)※入館は閉館30分前まで 
休館日:月(祝休日の場合は翌平日)、年末年始(12月29日〜1月1日) 
料金:一般 700円 / 学生 560円 / 高校生、65歳以上 350円 / 中学生以下無料

編集部