「都市再生の物語そのもの」
前橋の小川晶市長は、今回の芸術祭について次のように意欲を見せる。「『めぶく。』というまちづくりのビジョンを具現化するものであり、新しい文化の芽を芽吹かせられるかという挑戦。多くの地方都市が中心市街地の衰退という課題に直面しているが、前橋はその衰退から一歩ずつ抜け出してきた。この芸術祭はアートと建築を軸に、市民や関係者が主役となりアーティストとともに街を育て未来を描く、都市再生の物語そのものだ」。

総合プロデューサーを務めるのは、群馬出身で前橋の街づくりに尽力している田中仁(田中仁財団代表理事/ジンズホールディングス代表取締役CEO)。アドバイザーには南條史生(アーツ前橋特別館長/前橋市文化芸術戦略顧問)、萩原朔美(前橋市文化活動戦略顧問)、松田文登(ヘラルボニー代表取締役副社長)、牧寛之(バッファロー代表取締役社長)が名を連ね、プログラムディレクターは宮本武典(東京藝術大学准教授/アーツ前橋チーフキュレター)が担う。アンバサダーは和田彩花。
主な会場となるのは、アーツ前橋、前橋文学館、まえばしガレリア、前橋市のまちなかだ。
例えば渋谷慶一郎は、アーツ前橋やオリオン通り商店街に社会実装するプロジェクトを実施。吉開菜央は、赤城山から吹き下ろす強風「からっ風」をテーマに新作映画を撮り下ろす。詩人の最果タヒは、《詩のホテル》でコラボレーションしたデザイナー・佐々木俊と再びタッグを組み、前橋市内でパブリック・アートを設置。石倉敏明と尾花賢一は、アーツ前橋で2019年に発表した《赤城山リミナリティ》の続編を発表予定となる。また「新しい価値観」をコンセプトに、独創的なプロジェクトを次々と⼿がける注⽬の建築家・⼭⽥紗⼦は、アーケード商店街の⼀⾓に再開発の起点となる建築を設計中だ。



なお、全アーティストとプログラムのラインナップは26年6月頃に発表予定。アートによって大きく変わりつつある前橋が、この芸術祭によっていかなる展開を見せるだろうか。
- 1
- 2



















