今週末に見たい展覧会ベスト13。パウル・クレー、瀬戸内国際芸術祭の夏会期、江戸絵画から大竹伸朗まで【2/6ページ】

「パウル・クレー展 創造をめぐる星座」(静岡市美術館

パウル・クレー 赤、黄、青、白、黒の長方形によるハーモニー 1923 パウル・クレー・センター

 静岡市美術館で「パウル・クレー展 創造をめぐる星座」が8月3日まで開催されている。本展は全国巡回の最終会場となっている。兵庫会場での会場レポートはこちら

 スイス生まれの画家パウル・クレー(1879〜1940)は、クレーの作品を売り出した画廊の販売戦略に用いられ、孤独に瞑想する芸術家としてのイメージを広めた。しかしながら、同時代を生きたほかの前衛芸術家たち同様、クレーもまた、仲間たちと刺激を与えあったり、夢を共有したりしながら、困難な時代を生き抜いた。

 本展は、スイス・ベルンのパウル・クレー・センターの学術協力のもと、同センター、バーゼル美術館、日本各地の美術館から集めたクレー作品約60点を核に、カンディンスキー、ピカソ、ミロなど同時代の芸術家たちの作品を加えた約110点で、クレーの生涯にわたる創造の軌跡をたどる。クレーを取り巻く社会的な状況も視野に入れることで、多くの人や情報が構成する星座=コンステレーションのなかでクレーをとらえ直す。

会期:2025年6月7日~8月3日
会場:静岡市美術館
住所:静岡県静岡市葵区紺屋町17-1 葵タワー3階
電話:054-273-1515
開館時間:10:00~19:00 ※展示室への入場は閉館30分前まで
休館日:月(ただし、7月21日は開館)、7月22日
観覧料:一般 1600円 / 大学・高校生、70歳以上 1100円 / 中学生以下、障がい者手帳等をご持参の方および必要な付添の方原則1名 無料

「広がる屏風、語る絵巻」(細見美術館

 京都・岡崎の細見美術館で「広がる屏風、語る絵巻」が開催されている。会期は8月3日まで。

 「屏風」は風よけや間仕切りとして使用された実用性の高い調度。空間を彩る美術品として絵師たちによって絵が描かれ、様々な画題や様式による屏風絵が展開した。「絵巻」は、巻物(巻子)形式の絵画で、観者が自ら開き、巻き進めながら見るもの。コマ割りされた絵を連続させることで空間の移動や時間の推移を表現できることから、物語性のある主題が多く描かれた。後世に切断され、掛軸となった「断簡」も数寄者たちに賞玩されてきた。

 本展では、細見コレクションを中心に、空間に広げて鑑賞した屏風と、手許で展開して楽しまれた絵巻を紹介。豊臣秀吉の花見行列を描いた《豊公吉野花見図屏風》のほか、室町幕府第11代将軍・足利義澄が愛蔵していた《硯破草紙絵巻》など、異なる形式の絵画の特質に触れるとともに、個々の作品の魅力を堪能できる。

会期:2025年5月24日~8月3日
会場:細見美術館
住所:京都府京都市左京区岡崎最勝寺町6-3
電話:075-752-5555
開館時間:10:00~17:00
休館日:月(ただし、祝日の場合は翌火)
観覧料:一般 1800円 / 学生 1300円

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場 -junction-

2025.12.12 - 2026.01.24
parcel
馬喰町 - 清澄白河|東京