国立新美術館の「ブルガリ カレイドス 色彩・文化・技巧」。ララ・ファヴァレット、森万里子、中山晃子が参加【4/4ページ】

 さらに本展ではララ・ファヴァレット、森万里子、中山晃子の3人の女性アーティストが、色彩に関する作品を展開する。

 ファヴァレットのサイトスペシフィック・インスタレーション《レベル》は、回転する色とりどりの洗車ブラシで構成。工業的な文脈から切り離された洗車ブラシが彫刻のような存在となり、動き、リズム、色彩のエネルギーを融合させながら、機械的なものと有機的なものの境界を探求する。

 森万里子の《Onogoro Stone Ⅲ》は、古事記に着想を得るとともに、未来的な素材とミニマリズムを融合させながら、宇宙の均衡を象徴するかのような空間を創出。色彩と形態の象徴的な力を通じて、人間の起源へと深く分け入るような体験を目指す。

 中山晃子によるインスタレーション《Alive Painting》は、水、音、鉱物顔料が混ぜり合い、流動的なフォルムを形成する様子を空間全体に投影する作品。ブルガリのヘリテージ・コレクションである《コンバーチブル・ソートワール=ブレスレット》とコラボレーションをしながら、複雑な色彩をつくりあげる。

 そして、会場デザインは妹島和世と西沢立衛が主宰する日本の建築家ユニット「SANAA」と、イタリアのデザインユニット「フォルマファンタズマ」が協働。古代ローマの皇帝カラカラが造営した浴場のモザイク画のパターンに着想を得て、曲線的なフォルムや半透明の素材、色彩の効果を通してブルガリの文化的ヘリテージを反映する。加えてフォルマファンタズマは、ブルガリ・ヘリテージ・コレクションを展示するため、特別な独立型の展示ケースをデザインする。