第2章「色彩の象徴性」では、色の文化的・象徴的な側面を深く掘り下げ、色彩の選択を通じてどのように意味や感情を伝えられるのかを考察。とくに注目なのは、希少なジェイドのジュエリーや、プラチナにダイヤモンドとつの壮麗なエメラルドをあしらった伝説的な《ネックレス》(1961)だ。「セブン・ワンダーズ」と呼ばれるこの特別なジュエリーは、イタリアの女優、モニカ・ヴィッティやジーナ・ロロブリジーダといった著名人に愛用された。

最後となる第3章「光のパワー」では、色を感知する際の光の役割に焦点を当て、とくにシルバーやゴールドといった反射する素材において光がどのように作用するか観察する。1969年頃に制作された《コンバーチブル・ソートワール=ブレスレット》はソートワールにもブレスレットにもなるジュエリーで、とりわけ多くの色石が用いられており、ブルガリの色彩とその物語の豊かさを体現するものとされる。またえ、イエローゴールドにアメシスト、ターコイズ、シトリン、ルビー、エメラルド、ダイヤモンドがあしらわれており、万華鏡のような色彩を見せる。

また、スリートーンカラーのゴールドにシルクコードとダイヤモンドをあしらった《「セルペンティ」イブニングバッグ》(1978頃)にも注目したい。ブルガリの「メローネ」バッグの成功を物語るこのバッグは、当時もっも人気があり、多くの人々から買い求められた。ホワイト、レッド、そしてイタリア語で「アクア・ディ・マーレ」と呼ばれる希少なブルーグリーンの色調がゴールドに織り交ぜられ、メゾンの卓越した金細工の技量を体現している。




















