再現模造やアーティストとのコラボも
再現模造にも注目だ。正倉院事務所では、宝物の素材・構造・技法を忠実に再現し、本来の姿を甦らせることを目的に、再現模造の製作を行っている。本展では最新のデジタル制御による高精細映像・音楽・照明との組み合わせて展示することで、新たな鑑賞体験を提供する。出品点数は十数点が予定されている。

提供=宮内庁正倉院事務所

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さらに本展では、正倉院宝物がアーティストたちとコラボレーション。正倉院にインスピレーションを受けて作品を制作・展示する。
デザイナーとしても活動する篠原ともえは、正倉院宝物の「いまに通じる美」に着想を得て、伝統と現代を融合させた服飾作品を制作。ミュージシャンで音楽プロデューサーの亀田誠治は、様々な録音技術と音楽的な展開を掛け合わせ、1300年前の楽器の音をいまに響かせるという。また写真家・瀧本幹也は正倉院を現代写真家の視点で切り取った作品を発表。陶芸家・絵付師の亀江道子は宝物の文様を昇華させた陶芸作品を生み出す。

加えて本展では、青色のグラス「瑠璃杯(るりのつき)」のレプリカを、ガラス工芸作家・迫田岳臣と金属造形作家・田中均による合作によって実現させる。
本展開催を前に開催された記者会見で、宮内庁正倉院事務所の飯田剛彦所長は正倉院宝物について「成立当初から勅封がなくては扱えないもので、極めて厳密に保存されてきた。世界に類のないもの」としつつ、「宝物をご覧いただける機会は非常に短いため、じくじたる思いがあった。宝物に負担をかけず、多くの方にその世界を知ってもらうためにこの企画は始まった」と、本展の背景について語った。
また飯田氏は「コアなファンから馴染みのない方、外国人の方々を含めて幅広い方々に正倉院宝物を味わっていただければ」と意気込みを見せている。



















