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アート界を支える巨大銀行。バンク・オブ・アメリカはなぜ文化財保護に資金提供するのか?

アートの世界では大手金融機関が多額の資金を拠出し、様々なスポンサーシップを行っている。そのなかでも、世界の美術館を対象に、文化財保護プロジェクトを行うのがバンク・オブ・アメリカだ。

文=貝谷若菜

 現在のアート界において、大手金融機関の影響は計り知れない。アート・バーゼルのUBS、FRIEZEのドイツ銀行、TEFAFニューヨークのバンク・オブ・アメリカなど、多くの金融機関がアートフェアへの協賛や膨大なアートコレクションの所有・貸し出しを行っている。金融機関とアート市場の関係は歴史的にも深く、今日に始まったことではない。ルネサンス期イタリアのメディチ家やデイヴィッド・ロックフェラーをはじめとする1950年代以降の銀行家たちは、アートコレクションを築き、アート教育に尽力し、多角的にアート界の基盤を支えてきた。

 そのなかで、フェアやコレクションに比べると一見、華やかさには欠けるが、不可欠な役割を果たしているのがバンク・オブ・アメリカの文化財保護プロジェクト(Art Conservation Project)である。このプロジェクトでは世界各国の美術館を対象に緊急性の高い「修復」を支援している。本記事では、2025年で15年目を迎えるこのプロジェクトの概要とその意義について、バンク・オブ・アメリカのグローバル・アーツ・カルチャー&ヘリテージ・エグゼクティブのブライアン・シーゲル氏へのインタビューを交えて紹介する。

ブライアン・シーゲル氏

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