今週末に見たい展覧会ベスト12。ルイーズ・ブルジョワからパウル・クレー、玉山拓郎まで

今週閉幕する/開幕した展覧会のなかから、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。なお、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

「ルイーズ・ブルジョワ展」(森美術館)展示風景より

もうすぐ閉幕

「ルイーズ・ブルジョワ展」(森美術館

展示風景より、彫刻作品は《蜘蛛》(1997)

 日本において27年ぶりとなるルイーズ・ブルジョワの個展「地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ」は、東京・六本木の森美術館で1月19日まで。レポートはこちら。脚本家・吉田恵里香と担当キュレーター・椿玲子の対談観賞記事はこちら

 本展は、ブルジョワの国内最大規模の個展。昨年11月から今年4月にかけて、シドニーのニュー・サウス・ウェールズ州立美術館で開催されたブルジョワの大規模個展をもとに、ニューヨークのイーストン財団や東京から新たな作品を加えて再構成。

 ブルジョワは自身のトラウマに向き合いながら、女性、母、家族といった個人的なテーマを様々なかたちの作品として吐露してきた。本展は彫刻、絵画、インスタレーションを多岐にわたる作品を展示することで、その活動の全貌をたどっている。

会期:2024年9月25日〜2025年1月19日
会場:森美術館
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10:00〜22:00
料金:[平日]一般 2000円 / [土・日・休日]一般 2200円ほか

「アレック・ソス 部屋についての部屋」(東京都写真美術館

展示風景より

 東京・恵比寿の東京都写真美術館で開催中のアレック・ソス(1969〜)の個展「アレック・ソス 部屋についての部屋」が1月19日に閉幕する。会場レポートはこちら

 アレック・ソスは1969年アメリカ生まれ。国際的な写真家集団、マグナム・フォトの正会員であり、生まれ育ったアメリカ中西部などを題材とした作品で、世界的に高い評価を受けてきた。ソスは「ポートレートや風景、静物などを定期的に撮影しているが、もっとも親しみを感じるのは室内の写真だ」と述べている。部屋とそこに暮らす人をテーマとするこのシリーズが、本展を生み出すきっかけとなった。

 本展では、初期を代表するシリーズ「Sleeping by the Mississippi」から、今秋刊行予定の最新作「Advice for Young Artist」まで、約60点の作品を6つのセクションで紹介。30年に及ぶソスの歩みを振り返るだけでなく、「部屋」をテーマにソスのこれまでの作品を編み直す、同館独自の試みとなっている。

会期:2024年10月10日〜2025年1月19日
会場:東京都写真美術館 2階展示室
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
電話番号:03-3280-0099
開館時間:10:00〜18:00(木、金は〜20:00)※入館は閉館の30分前まで
料金:一般 800円 / 学生640円 / 中高生・65歳以上 400円

「若冲激レア展」(福田美術館

伊藤若冲《果蔬図巻》(1791)の部分

 京都・嵐山の福田美術館で、略称「若冲激レア展」が1月19日まで開催中だ。本展は世界初公開となる伊藤若冲《果蔬図巻(かそずかん)》を、同館が所蔵する若冲の作品約30点とともに紹介するもの。会場レポートはこちら

 《果蔬図巻》は寛政2年(1790)以前、若冲が70代のときに描かれた全長3メートルあまりの大作で、若冲ならではの美しい色彩を用いて様々な野菜や果物が描かれた巻物。70代で色絵を描いた例は少なく、重要文化財に指定されている「菜蟲譜(さいちゅうふ)」(佐野市立吉澤記念美術館所蔵・重要文化財)の前年に描かれていることから、今後若冲に関する研究を進めるうえで大きな意味を持っていると考えられる。

 本展では《果蔬図巻》に加え、現存する若冲の作品のなかでもっとも若い時期に描かれたとされる《蕪に双鶏図》や、相国寺の僧・梅荘顕常(大典)とともに京都から大阪まで舟で移動したときの風景をもとに制作された版画《乗興舟》も展示されている。

会期:2024年10月12日~2025年1月19日
会場:福田美術館
住所:京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3-16
開館時間:10:00〜17:00 ※最終入館は16:30まで
料金:一般・大学生 1500円 / 高校生 900円 / 小中学生 500円

特別展「志村ふくみ 100 歳記念 ―《秋霞》から《野の果て》まで―」(大倉集古館

展示風景より

 東京・虎ノ門の大倉集古館で、人間国宝の染織家・志村ふくみの足跡をたどる特別展「志村ふくみ 100 歳記念 ―《秋霞》から《野の果て》まで―」が1月19日まで開催されている。会場レポートはこちら

 志村ふくみは1924年滋賀県生まれ。染織家・随筆家。今年100歳を迎えたいまも、自然にある無数の色を抽出して糸を染め織るという、人と自然が共生する営みに捧げる仕事を続ける人間国宝だ。

 本展は志村の生い立ちや影響関係を紹介しつつ、初期の代表作《秋霞》から最新作《野の果て》までを6章に分けながら展示する、志村の仕事を総覧できる展覧会となっている。

会期:2024年11月21日~~2025年1月19日
会場:大倉集古館
住所:東京都港区虎ノ門2-10-3
電話番号:03-5575-5711
開館時間:10:00~17:00(金は〜19:00) (入館は閉館の30分前まで)
料金:一般 1500円 / 大学生・高校生 1000円 / 中学生以下 無料

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