「唐ごのみ—国宝 雪松図と中国の書画—」(三井記念美術館)
三井記念美術館で「唐ごのみ—国宝 雪松図と中国の書画—」が1月19日まで開催されている。会場レポートはこちら。
江戸に店を構え、京を本拠地とした三井家は、自らがパトロンとして支援した円山応挙やその弟子の絵画を多く所蔵していた。三井記念美術館の絵画コレクションの筆頭である円山応挙筆《雪松図屏風》(国宝)は、幕末維新・震災・大戦 の戦禍と幾多の困難を潜り抜けて、今日まで守り伝えられている。こうした日本の絵画にくわえ、北三井家を筆頭とした各家においては、茶の湯の美意識にのっとった墨跡や、中国の宋から元代の画家の絵画もまた、歴代にわたって珍重された。また、近代の新町三井家においては、9代当主・高堅が中国の古拓本の名品を盛んに収集し、それらは現在、聴氷閣コレクションとして世界的に知られている。
本展では、それらの北三井家・新町三井家旧蔵品を中心として、中国の絵画や書および、それらに倣って日本で描かれた作品を紹介。くわえて、一部の作品については、江戸時代に記された鑑定書など、付属する資料とあわせて展示している。
会期:2024年11月23日~2025年1月19日
会場:三井記念美術館
住所:東京都中央区日本橋室町2-1-1 三井本館7階
電話:050-5541-8600
開館時間:10:00~17:00(入館は閉館の30分前まで)
観覧料:一般 1200円 / 70歳以上の方 1000円 / 大学・高校生 700円 / 中学生以下 無料
「浅井忠、あちこちに行く-むすばれる人、つながる時代—」(千葉県立美術館)
千葉県立美術館で、開館50周年を記念した特別展「浅井忠、あちこちに行く-むすばれる人、つながる時代—」が1月19日まで開催されている。
近代洋画の先駆者として知られ、日本画や工芸、図案など多様な分野でも活躍した浅井忠(1856〜1907)。1974(昭和49)年の開館以来、千葉ゆかりの作家として浅井の作品収集および調査研究につとめてきた同館は、約200点の作品と絵葉書等約1500件の関係資料という、日本有数の浅井忠コレクションを有している。
開館50周年を記念し企画された本展では、同館が所蔵する4つの日記「筑波日記」「従軍日記」「巴里日記」「フォンテーヌブロー日記」を軸に、同館所蔵の浅井作品計350点以上を一挙公開。工部美術学校在学時のデッサンやフランス時代の句集「寒月・水仙」、浅井が様々な人と交換していた絵葉書や書簡といった貴重資料の一部を作品とともに展示することで、その多岐にわたる活動に隠された、知られざる人物像に迫っている。
会期:2024年10月30日~2025年1月19日
会場:千葉県立美術館
住所:千葉県千葉市中央区中央港1-10-1
電話:043-242-8311
開館時間:9:00~16:30 ※入場は閉館の30分前まで
料金:一般 1000円 / 高校・大学生 500円 / 中学生以下無料
「Osaka Directory 8 Supported by RICHARD MILLE 谷中佑輔」(大阪中之島美術館)
大阪中之島美術館で「Osaka Directory 8 Supported by RICHARD MILLE 谷中佑輔」が開催されている。
谷中佑輔は1988年大阪府生まれ、現在ドイツ・ベルリンに在住。2012年に京都市立芸術大学美術学部彫刻専攻を卒業し、14年に京都市立芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻を修了した。「アートアワードトーキョー丸の内2014」グランプリ受賞、16年に京都市芸術文化特別奨励者認定。16年度にポーラ美術振興財団在外研修員としてベルリンに滞在し、以降ベルリンに拠点を構える。
谷中はこれまで、人間身体の主体性や環境、様々な関係性のなかで身体が社会的に位置づけられるありようを、彫刻・ダンス・パフォーマンスなどで表現してきた。今回、再生医療分野のリサーチを行うなかで、谷中は発生学で研究される胚葉(胚の初期段階で形成される3つの細胞層)の身体の各組織や器官への分化・成長過程に着目。科学的知識が、人々の身体観やイメージにどのような影響を与えるかについて考察する、金属やガラスをもちいた彫刻作品を発表している。
会期:2024年12月21日~2025年1月19日
会場:大阪中之島美術館
住所:大阪府大阪市北区中之島4-3-1
電話:06-4301-7285
開館時間:10:00~17:00(入場は16:30まで)
観覧料:無料