無言館と、かつてありし信濃デッサン館 ― 窪島誠一郎の眼(静岡県立美術館)
静岡県立美術館で「無言館と、かつてありし信濃デッサン館 ― 窪島誠一郎の眼」が12月15日までの会期となっている。
本展では、窪島誠一郎によって実現した信濃デッサン館(2018に閉館)と無言館のつながりに初めて目を向ける機会となるものだ。無言館に集められた戦没画学生の絵や彫刻とともに、信濃デッサン館旧蔵の「夭折」した洋画家村山槐多や関根正二、靉光らの絵を展示。人生半ばで世を去った画家たちの情熱や創造の原点を紹介する展覧会だ。
会期:2024年10月12日〜12月15日
会場:静岡県立美術館
住所:静岡県静岡市駿河区谷田53-2
電話番号:054-263-5755
開館時間:10:00〜17:30 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月
料金:一般 1200円 / 70歳以上 600円 / 大学生以下 無料
緑の日々|上原沙也加(kanzan gallery)
東神田にあるkanzan galleryで、写真家・上原沙也加による個展「緑の日々」が12月15日まで開催されている。
上原は1993年沖縄県生まれで、東京造形大学を卒業。風景のなかに立ち現れる記憶や傷跡、場所や物が保持している時間の層をとらえる実践として、写真作品を制作してきた。
台湾を撮影した新作のカラー写真で構成される本展は、VOCA展2024で発表され奨励賞ならびに大原美術館賞を受賞した「幽霊たちの庭」と、MISA SHIN GALLERY(東京)で公開された「花売りのおばあさん」を含むモノクロームのシリーズ「緑の部屋」と蝶番の関係にあるものだという。
会期:2024年11月9日〜12月15日
会場:kanzan gallery
住所:東京都千代田区東神田1-3-4 KTビル2階
電話番号:03-6240-9807
開館時間:12:00〜19:00(日〜17:00)
休館日:月火
料金:無料
荒川ナッシュ医 ペインティングス・アー・ポップスターズ(国立新美術館)
東京・六本木の国立新美術館で開催中の、アメリカ在住のパフォーマンスアーティスト・荒川ナッシュ医による、アジア地域における初めての美術館個展「ペインティングス・アー・ポップスターズ」が12月16日で閉幕する。レポートはこちら。
荒川ナッシュ医は1977年福島県いわき市生まれ。98年からニューヨーク、2019年よりロサンゼルスに居住する米国籍のクィア・パフォーマンス・アーティストだ。様々なアーティストと共同作業を続けながら、「私」という主体を再定義し、アートの不確かさをグループ・パフォーマンスとして表現している。ロサンゼルスのアートセンター・カレッジ・オブ・デザイン、大学院アートプログラム教授。
本展は荒川ナッシュによる個展でありながら、同氏に協力する20数名の画家による絵画が会場内に「登場」。それぞれの絵画を存在感のあるポップスターとみなし、荒川ナッシュはその絵画のアティテュード(姿勢)から発案された協働パフォーマンスを会期中に発表している。
会期:2024年10月30日〜12月16日
会場:国立新美術館
住所:東京都港区六本木7-22-2
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10:00~18:00(金〜20:00) ※入場は閉館の30分前まで
休館日:火
料金:無料
松谷武判(東京オペラシティ アートギャラリー)
1960年代に「具体美術協会」(具体)の第2世代として名を馳せた現代美術家・松谷武判(1937〜)。その過去最大規模の回顧展が東京オペラシティ アートギャラリーで開催されている。会期は12月17日まで。レポートはこちら。
松谷は1937年大阪生まれ。14歳で結核にかかり、22歳までの8年間を闘病生活に費やした。この期間に日本画を学び、63年には具体美術協会に加入。松谷は当時の新素材であるビニール系接着剤を用いてレリーフ状の作品を制作し、注目を集めた。その後66年に渡仏し、パリを拠点に版画制作に取り組み始め、ボンドと鉛筆の黒鉛を組み合わせた独自の作品スタイルを確立。さらに、インスタレーションやパフォーマンスの分野でも独自の表現を展開し、87歳を迎えたいまもなお旺盛な創作活動を続けている。
本展は、松谷の半世紀以上にわたる制作活動の全貌を紹介する国内初の包括的な展覧会であり、各時期の代表作を含む総数200点以上の作品が展示。これまで発表されていなかった希少な作品や未発表のスケッチブックから最新作まで、松谷の創作活動の軌跡をたどるものとなっている。
会期:2024年10月3日〜12月17日
会場:東京オペラシティ アートギャラリー(ギャラリー1, 2, 3)
住所:東京都新宿区西新宿 3-20-2 東京オペラシティビル 3F
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:11:00〜19:00 ※入場は18:30まで
休館日:月(祝休日の場合は翌火)
料金:一般 1600円 / 大・高生 1000円 / 中学生以下無料