今週末に見たい展覧会ベスト13。「はにわ」からヨシロットン、川端龍子+高橋龍太郎コレクションのコラボまで【2/4ページ】

「広重ブルー」(太田記念美術館)

 東京・神宮前の太田記念美術館で開催中の「広重ブルー」が12月8日で閉幕する。

 歌川広重(1797~1858)の作品はいまも高い人気を誇るが、とりわけ空や海の深く美しい青が印象的だ。これは1830年頃から浮世絵に用いられたベロ藍(プルシアンブルー、ベルリンブルーとも)と呼ばれる青色の絵具によるもの。その美しさに触発され様々な絵師がベロ藍を使って風景画を描いた。広重は、ベロ藍との出会いから風景画に開眼すると、刻々と変わる空模様や水面を繊細に表現した。その後も晩年にいたるまで詩情あふれる名作を続々と生み出し、浮世絵界に不動の地位を築いている。本展は、広重のベロ藍を用いた名作の数々を中心に紹介し、国内外で愛され続ける広重の青の魅力に迫るものとなっている。

会期:[前期]2024年10月5日~11月4日、[後期]2024年11月9日~12月8日
会場:太田記念美術館
住所:東京都渋谷区神宮前1-10-10
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:30~17:30 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:10月7日、10月15日、10月21日、10月28日、11月5日〜8日、11月11日、11月18日、11月25日
料金:一般 1000円 / 大学・高校生 700円 / 中学生(15歳)以下 無料

「TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション」(大阪中之島美術館)

ルネ・マグリット レディ・メイドの花束 1957年 大阪中之島美術館(トリオ<現実と非現実のあわい>より

 大阪中之島美術館で、開館3周年記念特別展「TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション」が12月8日まで開催中だ。

 本展は、パリ市立近代美術館、東京国立近代美術館、大阪中之島美術館、それぞれのコレクションから共通点のある作品を1点ずつ選び、トリオ(3点1組)で紹介する展示を試みるもの。主題やモチーフ、色やかたち、素材、作品が生まれた背景など、自由な発想で組まれたトリオの共通点は様々。各館コレクションを代表する名作から初公開となる作品まで、総勢110名の作家による約150作品で34組のトリオを組み、それを7つの章に分けて紹介することで、モダンアートの新たな魅力を浮かび上がらせるユニークな展覧会だ。

会期:2024年9月14日~12月8日
会場:大阪中之島美術館 4階展示室
住所:大阪府大阪市北区中之島4-3-1
電話:06-4301-7285(大阪市総合コールセンター、8:00〜21:00、年中無休)
開館時間:10:00~17:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月
料金:一般 2100円 / 高校・大学生 1500円 / 中学生以下無料

「デ・キリコ展」(神戸市立博物館)

東京展の展示風景より、ジョルジュ・デ・キリコ《預言者》(1914-15)ニューヨーク近代美術館

 東京都美術館から神戸市立博物館に巡回した「デ・キリコ展」が12月8日で閉幕する。

 イタリア人の両親のもとギリシャで生を受けたジョルジョ・デ・キリコ(1888〜1978)。1910年頃から簡潔明瞭な構成で広場や室内を描きながらも、歪んだ遠近法、一見すると脈絡のないモティーフの配置、幻想的な雰囲気によって、日常の奥に潜む非日常を表した絵画を描き始める。後に「形而上(けいじじょう)絵画」と名付けた1910年代の作品は、サルバドール・ダリやルネ・マグリットといったシュルレアリスムの画家をはじめ、数多くの芸術家に衝撃を与えた。1919年以降は伝統的な絵画技法に興味を抱くようになり、古典絵画の様式へと回帰。それと同時に以前の形而上絵画の題材を取り上げた作品も頻繁に制作するなど、90歳で亡くなるまで創作を続けた。

 本展は、デ・キリコのおよそ70年にわたる画業を「イタリア広場」「形而上的室内」「マヌカン」などのテーマに分け、初期から晩年までの絵画を余すところなく紹介。さらにデ・キリコが手がけた彫刻や舞台美術も展示する、日本ではかつてない規模の回顧展をお見逃しなく。

会期:2024年9月14日~12月8日
会場:神戸市立博物館
住所:兵庫県神戸市中央区京町24番地
電話番号:078-391-0035
開館時間:9:30~17:30(金土〜20:00) ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月
料金:一般 2000円 / 大学生 1000円 / 高校生以下 無料

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江戸メシ

2025.01.04 - 01.25
太田記念美術館
渋谷 - 表参道|東京