今週末に見たい展覧会ベスト9。両足院のボスコ・ソディと加藤泉から束芋による個展、東京都美術館の「ノスタルジア―記憶のなかの景色」まで【2/3ページ】

「野良になる」(十和田市現代美術館

「野良になる」メインビジュアル

 青森県の十和田市現代美術館で「野良になる」が11月17日まで開催されている。

 本展では、近代が生み出した自律した主体としての「人間」を見直し、そこから排除された存在や思考に目を向けている。様々な二項対立的な枠組みの境界を撹乱しつつ強かに「野生でも飼われるのでもなく野良のように」息づくあり方や物語に出会う機会を創出することを試みている。

 会場では、日本とアメリカにルーツを持ち、トランスジェンダー女性として生きるあり方を彫刻で表現する丹羽海子、学校教育を離れ、独学でドローイングを柔らかいウールへと変換し風景を描く䑓原蓉子、品種改良や養殖といった人間のコントロールと動植物の生の関係を取り上げ、映像や料理の作品をつくる永田康祐、ブラジルに植民地時代以前から伝わる知識をもとに、植物と人間の関係を問い直す作品を制作するアナイス・カレニンなど、多様な視点から自然をとらえる若手アーティストの表現を紹介している。

会期:2024年4月13日〜11月17日
会場:十和田市現代美術館
住所:青森県十和田市西二番町10-9
電話番号:0176-20-1127
開館時間:9:00〜17:00 ※入館は16:30まで 
休館日:月 
料金:一般 1800円(常設展含む)/ 高校生以下 無料

「日本国憲法展2024」(青山|目黒)

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 無人島プロダクション、MISA SHIN GALLERYで開催されてきた「日本国憲法展2024」。現在、青山|目黒 で開催中の同展は11月17日までの会期となっている。

 昨年に続き2度目の開催となる「日本国憲法展」は、広島市現代美術館学芸員の角奈緒子を展示ディレクターに迎え、憲法と美術に焦点を当てるものとなっている。本展は2019年に刊行された『日本国憲法』(TAC出版)から着想を得たもので、書籍の掲載作とは異なる新たな作品を選出し日本国憲法の条文と組みあわせて展示することで、憲法を新たな角度から見つめ直すことを試みている。

会期:2024年10月26日〜11月17日
会場:青山|目黒
住所:東京都目黒区上目黒2-30-6 保井ビル1階
開館時間:12:00〜19:00(土日祝〜18:00) 
休館日:なし
料金:無料

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