岡山・倉敷のギャラリーKAGで、川上幸之介による展覧会「ファランジュ」が開催される。会期は9月1日~11月23日。参加作家は、風間サチコ、坂口恭平、ジェン・リウ、绘造社 ドローイング・アーキテクチャー・スタジオ、マイケル・ラコヴィッツ。
フランスの思想家、シャルル・フーリエは農業を中心とした協同組合(ファランジュ)をつくろうとしたが、実現することが叶わず晩年は困窮のなかで亡くなった。その後、この理想郷をつくろうと、その運動と思想はピエール・プルードンといった近代アナーキズムへと影響を与えることとなる。また、この思想は当時のアーティストへの影響も大きく、ベルリン・ダダのヨハネス・バーダーは全人類のための記念碑(Monument of All of Mankind)を提唱。そしてそれは、レトリスト・インターナショナルのジル・イヴァンによるハシエンダ(The Hacienda)、シチュアシオニスト・インターナショナルのコンスタント・ニーヴェンホイス(Constant Nieuwenhuys)によるニューバビロン(New Babylon)へと受け継がれていった。
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本展は、資本と国家が収奪しつつある日常に対し、芸術がいかにしてカウンター・スペースとなりえるのかを検討するもの。今日におけるイデオロギーや新植民地主義、ディストピアとユートピア、疎外といった側面を照らし出す作品が紹介される予定となっている。
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