EXHIBITIONS

PUNK! The Revolution of Everyday Life

2021.10.09 - 10.24

Yony Leyser, Queercore: How To Punk A Revolution, 2017 © Altered Innocence

岡山展風景

 川上幸之介(倉敷芸術科学大学)のキュレーションにより、岡山県倉敷市でスタートした展覧会「PUNK! The Revolution of Everyday Life」。今回は美術批評家の粟田大輔、CAMPの井上文雄、アーティストの川上幸之介、芸術監督の岸本佳子、美術批評家の杉田敦らによる、アナルコ・フェミニズム・クィア・パンクバンド「ノンクロン」の主催で、東京のBUoYへ巡回する。

 パンクは一般的に騒がしい音楽に派手なビジュアル、暴れる観客といったイメージを持たれている。しかしこの系譜をたどると見えてくるのが「相互扶助」「積極的自由」「自主管理」などの、他者および自己への倫理といった原理の通底だ。現代美術とロックから派生したパンクは、音楽活動のみならず、独自の倫理的実践を通して社会に影響を与え、多様性といった人間性の回復をもたらしてきた。

 本展では、そうしたパンクがこれまで様々な社会問題に取り組んできた実践と批評性をとらえることで、現代美術との親和性、さらには両者の相乗性について検討する。そして、現代の日常生活に対してパンクがどのように音楽を通じて自律空間を形成しているのか、さらにはそれがどのような意味を持つのかも改めて振り返る。

 東京展は、紙面・映像資料とドキュメンタリー映像作品によって構成し、新たに「アフロパンク」「インドネシアン・パンク」の2つのシーンを追加。出展作家・グループは、カール・クラウス、アルフレッド・ジャリ、ジャン=クリストフ・アヴェルティ、シチュアシオニスト・インターナショナル、ライオット・ガール、クィアコアなど。会期中には関連イベントも行う。各イベントの詳細、予約・参加方法についてはノンクロンのウェブサイトに掲載されている。

 なお本展覧会は、同年11月に長崎のすみれ舎、12月には福岡のアートスペース・テトラへ巡予定だ。