EXHIBITIONS

PUNK! The Revolution of Everyday Life

2021.05.14 - 05.17, 2021.06.14 - 06.27

Yony Leyser, Queercore: How To Punk A Revolution, 2017 © Altered Innocence

Potlatch journal by the Situationist International, 1954–1957

King Mob, Luddites: 69, 1969 © Chris Grey

デヴィッド・グレーバー ©︎ David Graeber, Photo by Pier Marco Tacca/Getty Images.

展覧会カタログ表紙

 川上幸之介(倉敷芸術科学大学芸術学部 川上幸之介研究室)によるキュレーション展「PUNK! The Revolution of Everyday Life」が開催される(※当初の会期を変更。最新情報は公式ウェブサイトへ)。

 現代美術とロックから派生したパンクは、音楽活動のみならず、独自の倫理的実践を通して社会に影響を与え、多様性といった人間性の回復をもたらしてきた。一般的に騒がしい音楽に派手なビジュアル、暴れる観客といったイメージを持たれていることが多いパンクだが、その系譜をたどると、「相互扶助」「積極的自由」「自主管理」など他者および自己への倫理といった原理が通底している。

 本展では、パンクがこれまで様々な社会問題に取り組んできた実践と批評性をとらえることで、現代美術との親和性、さらには両者の相乗性について検討するもの。現代の日常生活に対してパンクがいかに音楽を通じて自律空間を形成しているのか、さらには、それがどのような意味をもっているのかを改めて振り返る。

 展示は、世紀末ウィーンでドイツ系ユダヤ人として生まれ、自身で創刊した『ファッケル』を発言の場にジャーナリストとしても活動していた作家のカール・クラウスが朗読する『永遠の平和のために』(1932)を起点に構成される。

 続いて、フランスの劇作家アルフレッド・ジャリによる不条理劇『ユビュ王』、現代美術の初動としての「ダダ」とそこから派生したレトリスム、シチュエーショニスト・インターナショナル(SI)、ゲリラ・ハプニングで知られるブラック・マスクやアップ・アゲインスト・ザ・ウォール・マザーファッカー、これらの運動に影響を受けて組織されたキング・モブといった、急進的な前衛芸術運動を紹介する。

 また本展は、セックス・ピストルズの登場以降、このグループと同じ軌道を描いたパンク・ロッカーたち、クラス、ライオット・ガール、クィアコアも参照。そして展覧会カタログ(*)において、アナキストで人類学者のデヴィッド・グレーバー(1961〜2020)のエッセイを取り上げ、本展の視点を進展させる。

 本展のキュレーションを手がける川上幸之介は1979年山梨県生まれ、ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズMA Fine Art修了。教育プログラム「E.E.Eプロジェクト」を主催。主なキュレーションに、「ゲリラ・ガールズ ‘F’ Word – Feminism!」、「ホー・ルイアン Solar: A Meltdown」、「アントン・ヴィドクル Russian Cosmism: Trilogy」、 「トーマス・ヒルシュホルン、サンティエゴ・シエラ Radical Democracy」、「ミカエル・カリキ ス、ヘクトール・ザモラ、岡本唐貴、厚木たか The Third Entity」などがある。

*──展覧会カタログ寄稿者「不法占拠者たちの闘い − 世紀末アンダーグラウンドが目覚めた時 − 」小倉利丸、「ポスト労働者主義の悲哀――《芸術と非物質的労働》カンファレンス・レヴュー(2008年1月19日土曜日、テート・ブリテン)」デヴィッド・グレーバー、上尾真道訳、本邦初訳(入手できるのは、展覧会場のみ)