神奈川・箱根の彫刻の森美術館で、今年3月に逝去した彫刻家・舟越桂(1951~2024)の展覧会「舟越桂 森へ行く日」が開催される。会期は7月26日〜11月4日。
舟越は1951年岩⼿県盛岡市⽣まれ。75年に東京造形⼤学彫刻科を卒業し、77年に東京藝術⼤学⼤学院美術研究科彫刻専攻を修了。遠くを見つめるまなざしを持った静かな佇まいの人物像で知られている。2024年3月29日に逝去した。
本展は、生涯を通じて人間とは何かを問い続けた作家の作品の変遷と、その創作の源となる視線にせまるものとなる。「僕が気に入っている」「人間とは何か」「心象人物」「『おもちゃのいいわけ』のための部屋」といった4つのテーマで紹介される作品の数々には、目には見えない人間の心の姿が舟越の視線を通じて立ち現れていることだろう。
また、本展は同館の開館55周年を記念して企画されたもので、昨年3月に舟越へと依頼。道半ばにして旅立ってしまった作家が最期まで展覧会の実現に尽力していたことや遺族の意向を尊重し開催されることとなった。
〜森へ行く日〜
「遠い目の人がいる。
自分の中を見つめているような遠い目をしている人がときどきいる。
もっとも遠いものとは、自分自身なのかもしれない。
世界を知ることとは、自分自身を知ることという一節を思い出す。
私が感じている人間の姿を代表し、象徴してくれるような個人に出会った時、私はその人の像を作ってみたいと思う。」
(舟越桂 創作メモより)