ヌードやポートレート、都市風景をモチーフとした写真作品で知られる篠山紀信。近年では、美術館での個展「篠山紀信展 写真力」が2012年より全国巡回、原美術館(東京・品川)でも2017年1月まで「快楽の館」展が開催されるなど、アートの領域での活動も増加している。
本展覧会ではその「アート」をテーマに、彫刻の森美術館の野外彫刻を撮り下ろした作品群を、同館にて展示している。ヘンリー・ムーアの《ファミリー・グループ》(1948-49)、エミール・アントワーヌ・ブールデル《弓を引くヘラクレス》(1909)などをモチーフに、作品との出会いの瞬間を切り取る。
また、岡本太郎や草間彌生ら、篠山がこれまで交流を重ねたアーティストやその仕事場を被写体とした作品も発表。複数台のカメラを結合する、独自のジョイント写真の手法「シノラマ」を使って撮影した作品も展示しており、複眼的な写真表現を生み出している。