現代のフランスを代表するアーティストであるフィリップ・パレーノ。その日本における最大規模の個展「フィリップ・パレーノ:この場所、あの空」が箱根のポーラ美術館で開催される。会期は6月8日~12月1日。
パレーノは1964年オラン(アルジェリア)生まれ。パリ在住。80年代末以降、映像、音、彫刻、オブジェ、テキストやドローイングなど多岐にわたる作品を制作してきた。先進的なテクノロジーを積極的に採り入れながら、様々なアーティスト、建築家、音楽家との協働を行っている。映画『ジダン 神が愛した男』(ダグラス・ゴードンとの共同監督、2006年)や、日本のアニメ・キャラクター「アン・リー」の作品などでも知られる。近年の主な個展に、「VOICES」(リウム美術館、2024年)、「Echo2: a Carte Blanche to Philippe Parreno」(ブルス・ドゥ・コメルス、2022年)、「Echo」(ニューヨーク近代美術館、2019年)、「Anywhen」(テート・モダン、2016年 )、「 Anywhere, Anywhere Out of the World」(パレ・ド・トーキョー、2013年)、「8 juin 1968 ‒ 7 septembre 2009」(ポンピドゥー・センターパリ、2009年)など。日本国内ではワタリウム美術館において2019年〜20年にかけて、「オブジェが語りはじめると」を開催した。また25年に開催される「岡山芸術交流」のアーティスティック・ディレクターとしても選任されており、今日もっとも注目される作家のひとりだ。
ポーラ美術館での展覧会では、同館の新収蔵作品であり作家の代表作である映像作品《マリリン》(2012年)をはじめ、初期作品から初公開のインスタレーションまで、作家の幅広い実践を多面的に紹介するものとなる。パレーノは世界各地で、その場所の特性や建築を活かした展示を構成しており、本展では太陽を追跡する大型のミラー作品などを、箱根の豊かな自然を背景に展開するという。