アーティストの岡田裕子とファッションデザイナーのHIROKO ITOが、昨年4月に立ち上げたアートプロジェクト「W HIROKO PROJECT」。感染に揺れる社会と人々をテーマに、Art×Fashion×Medicalをキーワードとして活動を続けてきた。
同プロジェクトによる展覧会「Di_stance」が、東京・神宮前のBLOCK HOUSEで開催される。会期は5月9日~23日。
本展では、マスク不足で混乱が広がるなかいち早く制作され注目を集めた、洋服のように纏うマスク「TSUNAGARU MASK」を紹介。これは不織布などのフィルターを入れられるポケット付きの布マスクで、岡田裕子の原画による「抗体柄」のほか、中村ケンゴ、三田村光土里といったアーティストの作品をHIROKO ITOがデザインして1点ずつ仕上げたアートピースになっている。
また、感染を防ぐという試練のもとで続く生活のなかで発想された、ファッションとアートのチャレンジとも言える「抗ウイルス加工の防護ガウン」「ネックパーツ」などをあわせて展示する。
加えて注目したいのは、未発表の大作「Di_stance」。social distance(感染を防ぐために意図的に人と人とが保つ物理的距離)と、intimate distance(親しい人を抱きしめられるぐらいの密接な距離)という相反するシチュエーションに反応し、形状が変化する洋服だ。会場では、このイメージを伝える写真・映像作品も紹介する。