「フィンセント・ファン・ゴッホは何を学び、何を伝えたのか」。この問いを出発点に、SOMPO美術館が10月17日より「ゴッホと静物画―伝統から革新へ」展を開催する。
本展は、17世紀オランダから20世紀初頭まで、ヨーロッパの静物画の流れのなかにゴッホを位置づけ、ゴッホが先人たちから何を学び、それをいかに自らの作品に反映させ、さらに次世代の画家たちにどのような影響を与えたかを探るというもの。2020年、同館移転後の開館特別企画展として予定されていたが、新型コロナウイルス感染拡大のため中止となり、3年の延期を経ての開催となった。
展覧会では、国内外25ヶ所から計69点の作品が展示。そのうち25点がゴッホによる油彩画の予定だ。
会場は、「伝統/17世紀オランダから19世紀」「花の静物画/「ひまわり」をめぐって」「革新/19世紀から20世紀」の3章構成。クラウス、ドラクロワからマネ、モネ、ピサロ、ルノワール、ゴーギャン、セザンヌ、そしてヴラマンク、シャガールまで、名だたる画家たちの静物画とともにゴッホの作品を紹介する。
また本展では、「ひまわり」に焦点をあてたコーナーも設けられ、ゴッホやその他の画家たちが「ひまわり」を描いた作品を通じ、なぜ彼らがこの主題に惹かれたかを探る。なお、アムステルダムのファン・ゴッホ美術館所蔵のゴッホ 《アイリス》(1890)も出品が予定されており、構図や色の対比において同作とSOMPO美術館所蔵の《ひまわり》(1888)を比較しながら楽しむのはいかがだろうか。