10月9日まで青森の弘前れんが倉庫美術館で個展を開催している現代美術家・大巻伸嗣。その新たな個展「大巻伸嗣 Interface of Being 真空のゆらぎ」が、11月1日より東京・六本木の国立新美術館で開催される。
大巻は、「存在するとはいかなることか」という問いを掲げ、身体の感覚を揺さぶるような大規模なインスタレーションで知られている。また、地域を活性化するアート・プロジェ クトから舞台芸術まで、多くの人々と協働して空間を変容させる様々なプロジェクトを手がけている。
本展は、国立新美術館の天井高8メートル、2000平米にもおよぶ柱の無い大きな展示室で開催。大巻は、その空間的な広がりを最大限に生かした 3 つの大規模なインスタレーションを構想しているという。
展覧会は、2016年に初めて発表された「Gravity and Grace」シリーズの最新バージョンから始まる。新型コロナウイルス感染拡大の時期に制作された新作の映像インスタレーションのほか、私たちはなぜ生きるかという根源的な問いに基づく新作も発表される予定だ。
また大規模なインスタレーションに加え、本展ではこの圧倒的な空間を創出するために大巻が無数に描き残してきたドローイングも展示。ダイナミックなインスタレーションと繊細なドローイングを見比べるのも、本展の楽しみのひとつだ。
さらに、近年、演劇の分野にも活躍の幅を広げている大巻。展覧会会期中には、会場内でのパフォーマンスや、詩人の関口涼子とのコラボレー ションも予定されている。大巻がつくり出す唯一無二の総合芸術をぜひ会場で堪能してほしい。