サントリー美術館で「激動の時代 幕末明治の絵師たち」開催へ。異色の絵師たちを紹介

東京・六本木のサントリー美術館で、江戸から明治へと移り変わる激動の19世紀に日本絵画の伝統を受け継ぎながら新たな表現へ挑戦した絵師たちを紹介する「激動の時代 幕末明治の絵師たち」が開催される。会期は10月11日〜12月3日。

両賊深山妖術競之図 歌川芳艶 大判錦絵三枚続 万延元年(1860)千葉市美術館(展示期間:11月8日~12月3日)

 江戸から明治へと移り変わる激動の19世紀、日本絵画の伝統を受け継ぎながら新たな表現へ挑戦した絵師たち。そんな幕末明治期に個性的な作品を描いた絵師や変革を遂げた画派の作品に着目する展覧会「激動の時代 幕末明治の絵師たち」が、東京・六本木のサントリー美術館で開催される。会期は10月11日〜12月3日(会期中展示替えあり)。

 幕末明治期の絵画は、江戸と明治(近世と近代)という時代のはざまに埋もれ、かつては等閑視されることもあった。しかし、近年の美術史では、江戸から明治へのつながりを重視するようになり、現在、幕末明治期は多士済々の絵師たちが腕を奮った時代として注目度が高まっているという。

危嶂懸泉図 安田雷洲 一幅 江戸時代 19世紀
公益財団法人 平野政吉美術財団(展示期間:11月8日〜12月3日)

 本展は、そんな幕末明治期の江戸・東京を中心に活動した異色の絵師たちを紹介し、その作品の魅力に迫ろうとするものだ。

 天保の改革や黒船来航、流行り病、安政の大地震、倒幕運動といった混沌の時代。この世相を物語るように、劇的で力強い描写、迫真的な表現、そして怪奇的な画風などが生まれた。また、当時本格的に流入してきた西洋美術を受容した洋風画法や伝統に新たな創意を加えた作品も描かれたという。

 展覧会は「幕末の江戸画壇」「幕末の洋風画」「幕末浮世絵の世界」「激動期の絵師」の4章構成。いまなお新鮮な驚きや力強さが感じられる幕末明治期の作品群を特集する貴重な機会に要注目だ。

鍾馗ニ鬼図 河鍋暁斎 双幅 明治4~22(1871~89)
板橋区立美術館(展示期間:10月11日〜11月6日)
魁題百撰相 菅谷九右ヱ門 月岡芳年 大判錦絵 慶応4(1868)
町田市立国際版画美術館(展示期間:10月11日〜11月6日)

編集部

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