葛飾北斎、20歳のデビュー作から絶筆にいたるまで。約480件の名品を通じてその絵師人生をたどる

世界的に知られる日本人浮世絵師のひとり、葛飾北斎(1760~1849)。そんな北斎の全生涯にわたる画業をたどる「新・北斎展 HOKUSAI UPDATED」が、東京・六本木の森アーツセンターギャラリーで開催される。会期は2019年1月17日〜3月24日(会期中展示替えあり)。

葛飾北斎 弘法大師修法図 紙本1幅 弘化年間(1844-47) 西新井大師總持寺 通期展示

 世界でもっとも知られる日本人芸術家のひとり、葛飾北斎(1760~1849)。江戸時代後期に浮世絵師として登場し90歳で没するまで、約70年に及んだ北斎の画業は、つねに新たな絵画の創造を試みるものであった。

 度重なる画号の改名のみならず、画風も大胆に変えつづけた北斎。今回、東京・六本木の森アーツセンターギャラリーで開催される「新・北斎展 HOKUSAI UPDATED」は、《冨嶽三十六景》や『北斎漫画』といった有名作だけに焦点を当てるのではなく、日本初公開となる貴重な作品を含む、北斎の全生涯にわたる画業を展観するものだ。

葛飾北斎 牡丹に蝶 大判 天保初期(1830-34)頃 島根県立美術館(永田コレクション)
展示期間=1月30日~2月18日
葛飾北斎 冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏 大判 天保初期(1830-34)頃 島根県立美術館(新庄コレクション)
展示期間=2月21日~3月24日 ※1月17日~2月18日は日本浮世絵博物館の作品を展示

 北斎の絵師人生は、作風の変遷やおもに用いた画号によって、勝川派の絵師として活動した「春朗期」(20~35歳頃)、勝川派を離れて肉筆画や狂歌絵本の挿絵といった新たな分野に意欲的に取り組んだ「宗理期」(36~46歳頃)、読本の挿絵に傾注した「葛飾北斎期」(46~50歳頃)、多彩な絵手本を手掛けた「戴斗期」(51~60歳頃)、錦絵の揃物を多く制作した「為一期」(61~74歳頃)、自由な発想と表現による肉筆画に専念した「画狂老人卍期」(75~90歳頃)の6期に分けられる。

 本展では、この6期構成で、20歳のデビュー作から90歳の絶筆にいたる約480件の画業を通覧することができる(会期中展示替えあり)。国内外に所蔵される北斎の名品のほか、近年更新されたおもな研究成果とともに発見・再発見されてきた作品も展示される本展。十数年ぶりに東京で開催される大規模な北斎展に期待が高まる。

葛飾北斎 百物語 こはだ小平二 中判 1831-32頃 山口県立萩美術館・浦上記念館
展示期間=3月6日~24日 ※1月17日~2月18日は中右コレクションの作品を展示

編集部

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