新宮晋とレンゾ・ピアノの30年余りの共同制作をたどる。「Parallel Lives 平行人生」展が大阪中之島美術館で開催へ

日本とイタリアを代表する芸術家、新宮晋(しんぐう・すすむ)とレンゾ・ピアノ。ふたりが30年以上にわたり行ったコラボレーション作品を主軸に紹介する展覧会「Parallel Lives 平行人生 ― 新宮 晋+レンゾ・ピアノ展」が、大阪中之島美術館で開催される。会期は7月13日〜9月14日。

レンゾ・ピアノ 「関西国際空港旅客ターミナルビル」(1988-1994) 1994© Fondazione Renzo Piano © Kansai Airports © Kawatetsu

 日本とイタリアの芸術家、新宮晋(しんぐう・すすむ)とレンゾ・ピアノのコラボレーション作品を紹介する展覧会「Parallel Lives 平行人生 ― 新宮 晋+レンゾ・ピアノ展」が、大阪中之島美術館で開催される。会期は7月13日〜9月14日。

 ともに1937年に生まれ、名だたる作品や建築を世界に誕生させてきたふたり。関西国際空港旅客ターミナルビル(1994年開港)の建築家に選ばれたレンゾ・ピアノは1989年、「風のアーティスト」として注目を集めていた新宮晋に依頼し、国際線出発フロアの《はてしない空》が生まれた。これを皮切りに、ふたりは30年余りのあいだに世界中に様々なプロジェクトをともに実現してきた。

新宮晋とレンゾ・ピアノ、2022年ジェノヴァ RPBWにて
撮影=石田俊二(RPBW) © Renzo Piano Foundation
新宮晋《はてしない空》(1994)+レンゾ・ピアノ「関西国際空港旅客ターミナルビル」(1988-1994)4F国際線出発フロア 2016
撮影=石田俊二(RPBW) © RPBW-Renzo Piano Building Workshop Architects

 タイトルの「Parallel Lives (パラレル・ライブス) 平行人生」とは、1〜2世紀のギリシャの哲学者プルタルコスが、多数の共通した性格や人生を送ったふたりの偉人を比較した列伝のタイトルに由来するもの。本展では、ふたりのコラボレーション作品を主軸に、個々の活動や作品もあわせて紹介する予定だ。

 例えば、関西国際空港旅客ターミナルビルをはじめ、ふたりによるコラボレーション作品を貴重な模型や資料で紹介。加えて、イタリアの映像作家グループであるスタジオ・アッズーロが、ふたりによるスケッチや設計図、写真をコラージュして制作した映像も巨大なサイズで展示する。

新宮晋《コロンブスの風》(1992)+レンゾ・ピアノ「ジェノヴァ港再開発」(1985-2001)
Photo by Morgavi, Mattia © Morgavi, Mattia
新宮晋《宇宙に捧ぐ》(2001)+レンゾ・ピアノ「銀座メゾンエルメス」(1998-2006)
Photo by Denancé, Michel © Denancé Michel

 また、ふたりの創作活動を数多くの写真や作品資料とともに振り返る年表のほか、それぞれの代表作も会場で見ることができる。風・光・水をテーマに、自然のエネルギーの力で動く造形作品で知られる新宮による《自由の翼》《月の舟NY》《空のこだま》など活動初期から今日までの象徴的な作品や、前衛的な設計で世界中を虜にしてきたピアノが生み出した「ポンピドー・センター」「IBMトラベリング・パビリオン」「チバウ文化センター」など、傑作建築の数々の貴重な模型や資料も紹介される。

 なお、日本で進行中のふたりによる最新のプロジェクトも本展で姿が明らかになるという。ふたりの世界規模のダイナミックな歩みをたどりながら、輝かしい交差の軌跡を壮大なスケールで鑑賞できる機会をお見逃しなく。

レンゾ・ピアノ 「スタヴロス・ニアルコス財団文化センター」(2008-2016) 2016
Photo by Denancé, Michel © Denancé Michel
新宮晋《虹色の葉》(2021)+レンゾ・ピアノ「565ブルーム・ソーホー」(2014-2019) 2021
Photo by Joseph, Evan © Bizzi & Partners

編集部

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