「奇想の画家」とも呼ばれる画家のひとり・長沢芦雪(1754〜1799)の初期から晩年までの作品を紹介する「特別展 生誕270年 長沢芦雪」が、大阪中之島美術館で開催される。会期は10月7日〜12月3日。
長沢は、伊藤若冲、曽我蕭白とともに「奇想の画家」のひとりとして近年国内外から注目を集める日本の画家。江戸時代中期には、京都で活躍した画家・円山応挙の弟子としてその画風を忠実に受け継ぎつつ、その卓越した描写力や奇抜な着想、大胆な構図、また人を驚かせ楽しませようというサービス精神や面白みで、独自の世界を展開し人気を博した。
本展は、代表作に初公開作品も含め、初期から晩年までの選りすぐりの優品を一堂に展覧。長沢芦雪の魅力にせまるものだ。なかでも芦雪が33歳のときに描いた、無量寺の《龍・虎図襖》(重要文化財)をはじめとする大胆で斬新な構図の大型作品は要注目だ。ほかにも、愛らしい仔犬などの、生き生きとした動きを的確にとらえた動物の描写も見どころのひとつとなる。