現代の暮らしのなかの「民藝」に迫る。大阪中之島美術館で企画展「民藝 MINGEI─美は暮らしのなかにある」が開催

約100年前に思想家・柳宗悦が説いた民衆的工藝「民藝」。この「民藝」をテーマに生活を彩るその思想をめぐる企画展「民藝 MINGEI─美は暮らしのなかにある」が、大阪中之島美術館で開催される。
 

緑黒釉掛分皿(1931頃) 因幡牛ノ戸 日本民藝館蔵 Photo:Yuki Ogawa

 大阪中之島美術館で「民藝」をテーマとした企画展「民藝 MINGEI─美は暮らしのなかにある」が開催される。会期は2023年7月8日〜9月18日。

 約100年前、思想家・柳宗悦が民衆的工藝を「民藝」と名づけた。日々の生活のなかにある美を慈しみ、素材やつくり手に思いを寄せる文化をも包括したこの「民藝」についての展覧会は、一昨年から昨年にかけて東京国立近代美術館で開催された「民藝の100年」も記憶に新しい。

蓑(1930年代) 岩代檜枝岐  日本民藝館蔵
裂織丹前(19世紀) 越前 日本民藝館蔵 Photo:Yuki Ogawa

 大阪中之島美術館で開催される「民藝 MINGEI─美は暮らしのなかにある」は、こうした「民藝」の「私たちの生活に身近なもの」という側面に光を当てるもの。日本民藝館の所蔵作品を中心に、民藝の品々約150件を展示するとともに、いまに続く民藝の産地を訪ね、そこで働くつくり手、受け継がれている手仕事の品々も紹介する。

左が緑黒釉掛分皿(1931頃)  因幡牛ノ戸、右が蝋石製薬煎(19世紀) 朝鮮半島 いずれも日本民藝館蔵 Photo:Yuki Ogawa
手前は塗分盆(18世紀)、盆上左から染付蝙蝠文湯呑、染付羊歯文湯呑、染付雨降文猪口 (いずれも18-19世紀) 肥前有田 すべて日本民藝館蔵  Photo:Yuki Ogawa

 また、昨年までセレクトショップ「BEAMS」のディレクターとして、現在の民藝ブームの隆盛に大きな役割を果たしてきたテリー・エリスと北村恵子( MOGI Folk Art・ディレクター)による、現代のライフスタイルと民藝を融合したインスタレーションも見どころとなる。

 民藝の歴史について「衣・食・住」をテーマにひも解きながら、その現在について考えを深められる展覧会となりそうだ。

MOGI Folk Art ディレクターのテリー・エリスと北村恵子 Photo:Yuki Ogawa
日本民藝館「生活展」会場写真(1941)
左から、小谷眞三 角酒瓶(1979) 倉敷、小谷眞三 酒瓶(1985年頃) 倉敷、栓付瓶(20世紀中頃) メキシコ いずれも日本民藝館蔵 Photo:Yuki Ogawa
スリップウェア角皿(18世紀後半〜19世紀後半) イギリス 日本民藝館蔵 Photo:Yuki Ogawa
鹿沼箒(1939年頃) 下野鹿沼 日本民藝館蔵 Photo:Yuki Ogawa

編集部

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