ボッテガ・ヴェネタは、同ブランドの文化交流プログラム「The Square」の最新版として「The Square São Paulo」をリナ・ボ・バルディ設計の「Casa de Vidro」(ガラスの家)でスタートさせた。
The Squareはこれまでドバイと東京で開催。クリエイティブ・ディレクターのマチュー・ブレイジーによるディレクションのもと、ボッテガ・ヴェネタの価値であるクラフト、創造性、自己表現を具現化するもので、アーティストやゲスト、そして一般の人々がサイトスペシフィックなイベントに集うことで構成される。
今回のThe Square São Pauloはブラジルにおけるボッテガ・ヴェネタの10周年を記念するもので、マリ・ストックラーがキュレーション。6月3日まで開催中のプログラムでは、ブラジル各地から集められたアーティストや作品を通じて、イタリア生まれのボ・バルディを讃えつつ、ボ・バルディとブラジル文化の交わりを探求するものとなる。
会場のCasa de Vidroは1951年、ボ・バルディが初の建築プロジェクトとして完成させた作品であり、ボ・バルディが亡くなる1992年まで自身の私邸として使われていた。生前はボ・バルディの、没後はバルディ研究所のディレクションのもと、アーティストや建築家、知識人たちの集う場となっている。
マチュー・ブレイジーはこのプログラムに際し、「Casa de Vidroはお気に入りの場所のひとつです」としつつ、以下のようなコメントを寄せている。「リナ・ボ・バルディのレガシーとブラジル文化の豊かさを祝うために、世代を超え、分野を超え、ブラジル各地から集まったアーティストたちとここで会うことができ、本当に感激しています。ボッテガ・ヴェネタはタイムレスなスタイルがすべてです。The Square São Pauloでは、リナのアイデアと美学がいかに今日まで共鳴してきたのか、そしてデザインと文化が持つ変革の力を常に思い起こさせてくれると認識しています」。
いっぽうキュレーターのマリ・ストックラーは、「モダニズムのプロジェクトから、ブラジルの大衆文化の力の受容、カウンターカルチャーとのコラボレーションまで、リナは規範に挑戦し、まるで矢のように時空を超えたアイデアを展開し、今日のブラジルのアイデンティティを語る上で欠かせない視点となっています」と賛辞を述べつつ、「The Square São Pauloで私たちは彼女の革新的な思考の中へと飛び込みます。The Squareは対話の場としてデザインされています」としている。
会場では、ボ・バルディのオブジェと近現代のアーティストの作品を対比するように展示。作品同士の対話を通じて、過去と現在、そして可能性のある未来を行き来するような体験を提供する。
イベントは、「時間」「幾何学と精神性」「ブラジルのカウンターカルチャー」「ボサノヴァのルーツ」という4つのテーマに分けてキュレーションされており、コースに沿って編集された4冊の本がボックスセットとして限定で出版される。