2023.3.24

ポケモンと工芸からSIDE CORE、泉太郎まで。今週末に見たい展覧会ベスト6

今週開幕/閉幕する展覧会から、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

「ポケモン×工芸展 ─美とわざの大発見─」展より
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工芸に進化したポケモンたち。「ポケモン×工芸展 ─美とわざの大発見─」(国立工芸館)

展示風景より

 「ポケモン」と「工芸」ををかけわせる。そんな大胆かつ魅惑的な実験から生まれた「かがく反応」を楽しめる企画展「ポケモン×工芸展 ─美とわざの大発見─」が、金沢の国立工芸館で始まった。会期は6月11日まで。レポート記事はこちら

 本展は、人間国宝を含む20名の作家がポケモンというモチーフに挑み誕生した約70体の「工芸ポケモン」を展示するもの。展示は「すがた 〜迫る!〜」「ものがたり 〜浸る!〜」「くらす 〜愛でる!」の3部で構成されている。

 展示作品に加え、見どころをまとめた「ずかん」や英語表記の図録といった工夫も凝らされており、子供から大人まで、日本だけでなく海外の人まで、ポケモンと工芸の魅力も際限なく伝わる展示となっている。

会期:2023年3月21日〜6月11日
会場:国立工芸館
住所:石川県金沢市出羽町3-2
電話番号:050−5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:9:30〜17:30 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし、5月1日は開館)、5月14日
料金:一般 900円 / 大学生 500円 / 高校生 300円

ダイナミックな造形が一堂に。「上田勇児」(Blum & Poe)

上⽥勇児 Blum & Poe(東京)での展⽰⾵景画像 2023年 © Yuji Ueda, Courtesy of the artist and Blum & Poe, Los Angeles/ New York/Tokyo Photo: SAIKI

 Blum & Poe (東京)で、上田勇児の個展が開催される。会期は3月25日~4月28日。

 上田は1975年滋賀県生まれ。焼き物と日本茶で知られる信楽のお茶農家に育ち、「日本六古窯」のひとつに数えられる信楽で作陶を続けてきた。上田の作品は伝統的な器の系譜を引き継ぎながらも、素材のポテンシャルを限界まで引き出そうとしており、それによって爆発的でダイナミックな造形に仕上がっている。

 本展はBlum & Poe (東京)で初となる上田勇児の個展となる。上田の様々な表情をした作品を堪能してほしい。

会期:2023年3月25日~4月28日
会場:BLUM & POE
住所:東京都渋谷区神宮前1-14-34 原宿神宮の森5F
電話:03-3475-1631
開館時間:12:00~18:00
休館日:日、月、祝日
料金:無料

スケーターが東京の地下空間を疾走。SIDE CORE《rode work ver. under city》(目黒観測井)

展示風景より、SIDE CORE《《rode work ver. under city》

 アーティスト・コレクティブのSIDE COREが、東京・目黒区の山手通りと国道246号が交差する地点にある「目黒観測井」横の空地で、新作《rode work ver. under city》を3月26日まで展示している。

 本作は東京の地下にある貯水池、浄水施設、地下の廃駅などで、スケーターが探索をする姿を撮影した映像作品だ。会場となる目黒観測井は、地下水位や地盤の変動を観測する施設。この施設の敷地に大型のモニターを設置して作品が上映されている。

 《rode work ver. under city》には、日本を代表するストリートスケーター・森田貴宏がビデオプロダクション・FESNとして参加。森田のほかに櫻井壱世とLeon Ketsuがスケーターとして参加している。スケーターたちは照明を背負いながら、水害を防ぐ環状七号線地下の貯水池や、現在は廃駅となっている京成電鉄の博物館動物園駅など、通常では入れない都市の地下空間をスケーティング。その様子を巧みな照明による映像でとらえている。

会期:2023年3月18日〜3月26日
会場:目黒観測井横 空地
住所:東京都目黒区青葉台3-6
開館時間:14:00〜22:00
休館日:会期中無休 
料金:無料

「わからなさ」と交感する。「Sit, Down. Sit Down Please, Sphinx.:泉太郎」(東京オペラシティ アートギャラリー)

 映像、パフォーマンス、ドローイング、絵画、彫刻といったあらゆるメディアを交錯させたインスタレーションをおもな表現手法とし、国内外で精力的に作品を発表している現代アーティスト・泉太郎。その東京の美術館における初の個展「Sit, Down. Sit Down Please, Sphinx.:泉太郎」は3月26日まで。レポート記事はこちら

 本展は、古墳や陵墓、ストライキ、再野生化、仮病、鷹狩におけるマニング(懐かせる)やフーディング(目隠し)のほか、数々のキーワードが絡み合う思考のプロセスと、コスプレ、キャンプ、被葬のような体験を織り交ぜ、「わからないもの」に向きあい続けるための永久機関を立ち上げるというもの。

 本展について泉は次のように語る。 「物事を考えていくにつれてその発端を忘れていくこと、そして忘れることをきっかけにまた考える。この繰り返しが『わからなさに付きあい続けるプロセス』。人とは異なるものと交感しあう展覧会にした」。

会期:2023年1月18日〜3月26日
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
住所:東京都新宿区西新宿3-20-2
電話番号:050-5541-8600 
開館時間:11:00〜19:00 ※入場は18:30まで
休館日:月(祝日の場合は翌火)、2月12日
料金:一般 1200円 / 高校・大学生 800円 / 中学生以下無料

江戸時代の「文人」とは何者だったのか。「没後190年 木米」(サントリー美術館)

展示風景より、木米 重要文化財《染付龍濤文提重》(19世紀) 東京国立博物館

 江戸時代後期の京都を代表する陶工/画家である木米(もくべい、1767~1833)。木米が手がけた書画や陶芸などを紹介し、その生涯や当時の文人文化に迫る展覧会「没後190年 木米」は、東京・六本木のサントリー美術館で3月26日まで。レポート記事はこちら

 木米は京都祇園の茶屋「木屋」に生まれ、俗称を「八十八」と言う。木屋の「木」と、八十八を縮めた「米」に因んで「木米」と名乗った。木米は30代で中国の陶磁専門書『陶説』に出会い、煎茶器から茶陶にいたる優れた陶磁器、書や画も数多く残した。本展はそんな木米の生涯と仕事の全容に、4章構成で迫るものだ。

 俗世を離れた無為自然に憧れる大陸の老荘思想がいかに解釈され、中国美術の技法や表現とともに日本で翻案されてきたのか。銘品ともに知ることができる展覧会だ。

会期:2023年2月8日〜3月26日
会場:サントリー美術館
住所:東京都港区赤坂9-7-4
電話番号:03-3479-8600
開館時間:10:00〜18:00(金土、2月22日、3月20日は〜20:00)
休館日:火(3月21日は開館)
料金:一般 1500円 / 大学・高校生 1000円

コロナで途絶えた人々の往来を取り戻す。「六本木クロッシング 2022展:往来オーライ!」(森美術館)

横山奈美《Shape of your Words - T.K. -》

 東京・六本木の森美術館が3年に1度、日本の現代アートシーンを総覧する定点観測的な展覧会として、2004年以来共同キュレーション形式で開催してきたシリーズ展「六本木クロッシング」。3月26日までの開催だ。会場の様子はこちらでレポート。

 第7回目の開催となる本展は、1940年代~1990年代生まれの新進気鋭な日本のアーティスト22組を紹介。アフターコロナの世界における歴史や文化について、鑑賞者とともに再考していくというものだ。

 歴史上、異文化との交流や人の往来が繰り返され、複雑な過去を経て、多様な人・文化が共存しているという事実を持つ現在の日本。サブタイトルの「往来オーライ!」には、それらを再認識しつつ、コロナ禍で途絶えてしまった人々の往来を再び取り戻したい、という思いが込められている。

会期:2022年12月1日~ 2023年3月26日
会場:森美術館
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階
電話番号:050-5541-8600(9:00~20:00) 
開館時間:10:00~22:00(火〜17:00、ただし12月6日〜16:00、1月3日・3月21日〜22:00、12月17日〜17:00)※最終入館は閉館時間の30分前まで
休館日:会期中無休 
料金:一般 1800円 / 高校・大学生 1200円 / 中学生以下 600円 / 65歳以上 1500円