大正から昭和にかけて、京都画壇で活躍した日本画家・橋本関雪(1883〜1945)。その生誕140年を記念し、「KANSETSU─入神の技・非凡の画」が白沙村荘 橋本関雪記念館(東山会場)と福田美術館・嵯峨嵐山文華館(嵐山会場)にて開催される。会期は4月19日〜7月3日。
橋本関雪は神戸に生まれ、儒者の父・海関の薫陶を受けて漢籍詩文を学び、画筆にも親しんだ。四条派の画法を修めた関雪は若くしてその名を轟かせ、京都画壇を代表する存在となっていった。
本展は、関雪が生涯でもっとも長い時間を過ごした京都を舞台に、その歩みと到達点を振り返るとともに、多角的に紹介するものになる。
東山会場となるのは白沙村荘 橋本関雪記念館。関雪が銀閣寺のほど近くにつくりだした1万平米におよぶ「文人の理想郷」だ。関雪は自身のコレクションを展示する美術館建設を計画していたものの、完成を見ないままにこの世を去った。
本展では、前期23点、後期20点に分けて計43点を展覧。前期では足立美術館が所蔵する《玄猿白鶴》や《夏夕》《樹上孔雀図》など8点を含む優品が展示される。また後期では、東京藝術大学大学美術館の《玄猿》、姫路市立美術館の《南国》、福田美術館の《後醍醐帝》などが集う。
なお白沙村荘では、関雪が作品を制作していた大画室も公開。優美な庭園とともに体験できる貴重な機会となる。