森美術館の20周年記念展第一弾。すべての人に開かれた「世界を学ぶ教室」が誕生

2023年に開館20周年を迎える森美術館。これを記念する展覧会の第一弾、「ワールド・クラスルーム: 現代アートの国語・算数・理科・社会」の開催が発表された。会期は2023年4月19日〜9月24日。

ヤン・ヘギュ 「ヘギュ・ヤン:コーン・オブ・コンサーン」(マニラ現代美術デザイン美術館、2020年)展示風景より撮影=アット・マキュランガン ※参考図版

 森美術館の開館20周年記念展「ワールド・クラスルーム: 現代アートの国語・算数・理科・社会」が開催される。会期は2023年4月19日〜9月24日。

宮島達男 Innumerable Life/Buddha CCIƆƆ-01 2018年 森美術館所蔵 Courtesy: Lisson Gallery
撮影=表恒匡

 本展は学校で習う科目を現代アートの入口と位置づけており、展覧会のセクションも「国語」「社会」「哲学」「算数」「理科」「音楽」 「体育」 などに分かれている。これは、現代アートを「美術・図画工作」という科目から解放して、「世界」 について学ぶあらゆる科目に通底した領域としてとらえるよう促すものだという。

 展示作品はどれも複数の科目や領域に通じており、固定観念をクリエイティブに越えていこうとするアーティストの姿勢が感じられるだろう。参加アーティストは、アイ・ウェイウェイ、ヨーゼフ・ボイス、李禹煥、ミヤギフトシ、宮島達男、宮永愛子、奈良美智、杉本博司、田島美加、梅津庸一ら総勢50組以上。

 なお、出展作品の半数以上を同館のコレクションが占めるのは、企画展では初めてのこと。節目にふさわしい、20年間の歩みを振り返る機会になるだろう。

ワン・チンソン(王慶松) フォロー・ミー 2003年 森美術館所蔵

 現代性と国際性を追求し、複雑で多様な世界と出会う場として機能してきた森美術館。20周年の節目に、未知の世界を知る 「世界の教室」を訪れ、現代アートの今後、この社会の未来に思いを巡らせてみてはいかがだろうか。

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