スイスの高級時計ブランド「ヴァシュロン・コンスタンタン」が、俵屋宗達による国宝《風神雷神図》と日本神話をモチーフに制作したユニークピース「レ・キャビノティエ」を、銀座本店で特別展示する。会期は11月22日〜12月1日。
「ヴァシュロン・コンスタンタン」は、1755年にスイスのジュネーブで誕生した最古の高級時計マニュファクチュール。文化芸術に対するコミットメントも深く、2019年にルーヴル美術館と「作品およびその制作技術の保存・継承」を旨とする芸術的・文化的パートナーシップを締結している。
今回の目玉「レ・キャビノティエ」は、俵屋宗達の国宝《風神雷神図》および日本の神話に着想を得て制作されたユニークピース。今年4月にヴェネチアで開催された、芸術的な職人技を称える国際的な工芸展「ホモ・ファーベル」展で発表されたものだ。
その駆動をつかさどるムーブメントには、愛好家や収集家におなじみの「キャリバー
1731」を採用。ベルトには、洗練されたデザインとホワイトステッチがクラシカルな印象を持つ「アリゲーターレザーストラップ」を用い、「雷神」にはバーガンディ、「風神」にはグリーンが組み合わされている。その留め具には革への負担が少ないフォールディングクラスプが用いられており、エングレービングを施したホワイトゴールドが立体感と輝きを添えている。
今回の特別展示には、4枚のオーク材パネルにタイムピースと同様のモチーフを彫り、金色仕上げを施した四曲屏風も展示される。ともに「ホモ・ファーベル展」に参加したルーヴル美術館の額装工房の職人によって制作されたものだ。
さらに、時計製造とジュエリーの世界で用いられる装飾技術を称える「メティエ・ダール・ ラ・サンボリック・デ・ラック」コレクションより、日本の「蒔絵」技法を駆使したタイムピース「鯉と滝」(2011年)と「春」(2014年)も展示予定。会場にはまた、1924 年に製造された懐中時計、「侍」も並ぶという。
日本のモチーフや技術と、時計職人の巧の技が織りなすユニークピースを鑑賞できるこの機会にぜひ、銀座に赴いてみてはいかがだろうか。