東京都美術館で、世界でも指折りの西洋絵画コレクションを有するスコットランド国立美術館の名画を紹介する展覧会「スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち」が開催される。会期は2022年4月22日〜7月3日。
スコットランド国立美術館は、1859年の開館以来コレクションの拡充を続けてきた。現在では、ラファエロ、エル・グレコ、ベラスケス、レンブラント、ブーシェ、スーラ、ルノワールなど、ルネサンス期から19世紀後半にいたるまでの西洋絵画史に名を刻んだ巨匠の作品を所蔵している。
本展ではこれら巨匠の名画の数々とともに、ゲインズバラ、レノルズ、レイバーン、ターナーなど、イングランド絵画やスコットランド絵画の名品も多数展示。油彩、水彩、ドローイングを合わせて約90点展示することで、西洋美術の流れを知ることができる。
展示は時代ごとに分けられた4章と、プロローグ・エピローグで構成。第1章「ルネサンス」ではレオナルド・ダ・ヴィンチの師であるヴェロッキオのものとされる《幼児キリストを礼拝する聖母(「ラスキンの聖母」)》(1470頃)や、エル・グレコの《祝福するキリスト(「世界の救い主」)》(1600頃)が展示される。
第2章「バロック」ではレンブラント《ベッドの中の女性》(1647)や、ルーベンス《頭部習作(聖アンブロジウス)》(1618頃)といった、17世紀ヨーロッパで絵画を革新した画家たちの名画を紹介。第3章「グランド・ツアーの時代」では、レノルズの肖像画やブーシェによる牧歌的な風景を描いた作品などを展示する。
第4章「19世紀の開拓者たち」では、19世紀の肖像画や風景画から、外光派、印象派、ポスト印象派といった革命的なグループを紹介。コンスタブル、ミレイ、モネ、ターナー、ゴーギャン、アボットなど、現代の芸術にも強い影響を与える名画の数々が展示される(モネ、ゴーギャンは東京会場のみ展示)。
ルネサンス以降の西洋絵画の歴史を、誰もが知る画家の名品とともにたどることができる展覧会となりそうだ。
なお同展は、神戸市立博物館と北九州市立美術館に巡回する。